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2016年3月の31件の記事

2016年3月31日 (木)

悪韓論VS悪日論/井上和彦、金慶珠

Photo 仮に、当時の日本軍の公式文書に証拠がなかったとしても、そのことイコール軍の強制がなかったことには直結しません。敗戦当時、軍事やインテリジェンスに関する文書はほとんど焼き払われ、その証拠が隠滅された可能性も否定できません。

井上 それでは話にならない。きっちりとした証拠もないのに、どうやって軍の関与を認めろというのですか。戦時中に「慰安婦」が存在したことは事実ですが、軍が主体的に慰安婦徴用に関与した事実はありません。

日本と韓国の間には多くの問題が横たわっている。

従軍慰安婦、竹島、靖国、戦時徴用工・・・等々。

本書では、井上和彦、金慶珠という日韓両国の論客が議論を戦わしているが、全くかみ合っていない。

日本人である私の目には、金氏の発言に一貫性がなく、詭弁やすり替えが多いように映るのだが、韓国人が見れば、これはまた違って見えるのであろう。

「話せばわかる」とよく言うが、逆に「話してもわからない」ことがあるという事実を認める必要があるのではないだろうか。

そのくらい、両国の隔たりは大きい。

相手に対しての過大な期待は、やがて妄想となり、失望、絶望となる。

「分かり合えない」という事実を出発点として、「では、お互い、何をすべきか」という、超現実主義に立った付き合い方をするのがベストではないだろうか。

2016年3月30日 (水)

企画に年功序列は存在しない/内田伸哉

Photo 「企画」とは、「人の心を動かす術」である。

確かに、「企画」の「企」は、「くわだて」という字。

何を「企てる」のかというと、「人の心をどう動かすか」を企てるのである。

逆に言うと、人の心を動かすことができたら、それは結果的に企画だということになる。

この本のタイトルは『企画に年功序列は存在しない』である。

真意は、年齢も、性別も、言語や人種さえも関係ない。

世界というステージの上では、すべての人が「企画」という武器で戦うことができる、という意味が込められている。

良いものであれば、1秒で地球の裏側へ伝わる時代。

そんな世の中に生きている私たちにとって、企画こそが世界共通言語なのではないだろうか、という著者の思いがこもっている。

どんなに画期的なことを考えていても、それを世に出すことができなければ意味がない。

その意味でも、企画力は、現代人にとっての必須スキルと言ってよいかもしれない。

2016年3月29日 (火)

すべてがうまくいく8割行動術/米山公啓

Photo 8割行動とは、たえず意欲が継続していく状態をつくりだそうということです。大きな目標を達成する手前で、意識的にやめてしまう。うまくいかないからやめてしまうのではなく、自らセーブして途中でやめるのです。

8割行動術とは、なんでもいい加減でよいということではない。

10割ではダメ、6割でもダメ、あくまで8割である。

「まだできる」というところで切り上げる、この状態が一番モチベーションが持続できるというのである。

例えば、その日の仕事を8割にとどめておくことで、意欲の脳内物質であるドーパミンを持続して出すことができ、翌日の意欲につながっていく。

達成感を先延ばしすることでモチベーションが持続する。

人間は、何かか目標があって、突き進める時期が一番「幸福度」が高まるものである。

しかし、8割行動にするには、子供のときからの教育でたたき込まれた精神を変える必要がある。

日本人の中には全力でがんばることに価値があるという信仰にようなものがある。

何でも一生懸命にやりすぎないことである。

2016年3月28日 (月)

明治維新という過ち/原田伊織

Photo 歴史に「もし」(ヒストリカル・イフ)は禁物、とよくいわれるが、敢えて「もし」と考えてみる。もし、長州・薩摩のテロを手段とした討幕が成功せず、我が国が「明治維新という過ち」を犯さなかったら、我が国はその後どういう時代を展開し、どういう国になっていただろうか。私は、徳川政権が江戸期の遺産をうまく活かして変質し、国民皆兵で中立を守るスイスか自立志向の強い北欧三国のような国になっていたのではないかと考えている。

よく売れている本だというので読んでみた。

著者の主張は、私たちが学んできた幕末維新に関わる歴史とは、「長州・薩摩の書いた歴史」である、というもの。

勝者が歴史を書き換えるのは、常なることである。

戦後の世界は、確かに戦勝国史観である。

しかし、だからといって、吉田松陰はテロリストという主張はあまりにも一方的である。

ましてや、『もし、長州・薩摩のテロを手段とした討幕が成功せず、我が国が「明治維新という過ち」を犯さなかったら、国民皆兵で中立を守るスイスか自立志向の強い北欧三国のような国になっていたのではないか』という記述には、ちょっと笑ってしまった。

歴史は様々な見方がある。

また、あるべきだと思う。

だからこそ、「自分の主張こそ正しい」という論調には正直辟易してしまう。

本書は、明治維新の一つの見方としては非常に面白い。

但し、あくまで歴史の一つの見方である。

私たちは歴史に対してもっと謙虚であるべきではないだろうか。

2016年3月27日 (日)

初速思考/金田博之

Photo そこで、Cにフォーカスすることによって、P→D→C→Aという順番で回していくのではなく、C→A→P→Dの順番で取り組むようにします。
 そうすればふだん何気なく行動している経験をムダにせず、しっかりとチェックして言葉へと落とし込むことで、自ずと次の行動に落とし込むことができるのです。

今は変化の激しい時代と言われている。

だからこそ、スピード感が重視されるようになってきている。

私の経験から言っても、意思決定の遅い企業は、多くの場合、業績も悪い。

つまり、今の時代、スピード感こそ、競争優位の源泉であるということは言える。

ではそのためにはどうすればよいのか。

それは初速をあげることである。

つまりスタートの動き出しを速くすること。

スタートの動き出しの段階で避けたいのが、「何も行動せずに時間だけが過ぎている」状態である。

どうしてそんな状態になってしまうのか。

それは、計画立案段階で時間をかけすぎるから。

初速を速くするために、著者はCにフォーカスせよ、と言っている。

つまり、PDCAのPから始めるのではなく、Cから始めよということである。

これは確かにその通りだと思う。

C、つまり「チェック」から始めることによって、成功要因からアクションプランを作成し、すぐに行動する。

試してみて損はないのではないだろうか。

2016年3月26日 (土)

なぜ、この人に部下は従うのか/渋谷昌三

Photo 上手な叱り方のポイントをまとめると、①一貫性を持たせる、②即座にビシッと叱る、後で叱るときはやんわり叱る、③理由をつけて叱る、の三つである。

上司が部下の行動を変えようとするとき、使う方法は大きく分けて二つ、

つまり「褒める」か「叱る」か、そのどちらかである。

特に今は、叱ることの下手な上司が増えてきたような印象がある。

上手に叱るというのは、むずかしいものだ。

叱ったことが本人のプラスになればよいが、叱り方を間違えたばかりに部下の心を傷つけてしまうと、その後のコミュニケーションにも影響を及ぼす。

叱る際に注意しなければならないポイントの一つは、即座に厳しく叱ること。

部下がミスをしたら、その場でビシッと叱る。

もう一つのポイントは、理由を具体的に言ってから叱ること。

もし、その場で叱れなくて後になって叱るときは、やんわり叱るというのが原則。

後で叱るときには、なぜやんわり叱るほうがいいのか。

時間をおくと、本人が反省する機会が持てる。

つまり、「あのときはまずかった」と本人も思っている。

そこに追い討ちをかけるみたいにガツンと叱ると、かえって逆効果になるというわけだ。

この三つのポイントを押さえるだけでも上司にとってはプラスになるのではないだろうか。

2016年3月25日 (金)

限界費用ゼロ社会/ジェレミー・リフキン

Photo もし私が25年前にこんなことを言ったとしたらどうだろう?四半世紀後には、人類の三分の一が、何億もの人から成る巨大なグローバル・ネットワークで連絡をとり合い(音声や動画、テキストをやり取りし)、世界の知識の総体に携帯電話からアクセスでき、一個人でも同時に10億人を相手に、新しいアイディアを投稿したり、製品を紹介したり、考えを伝えたりできるようになる。しかもそれにかかるコストはゼロに近い、と。あなたはとても信じられないと首を横に振っただろう。だが、今ではそのすべてが現実のものだ。

確かに25年前に、今のような世界が現実になるとは想像すらしていなかった。

それほどITの影響は大きい。

そして今、IOTと言われている。

モノとインターネットを結ぶ、新しい形。

25年後には、自宅や仕事場をマイクロ発電所に変え、その場で再生可能エネルギーを採取することができるかもしれない。

そうすれば、家を暖め、家電製品を作動させ、職場の機器を動かし、車を走らせ、世界経済を隅々まで駆動させるのに使うエネルギーの大部分も無料に近くなるかもしれない。

そうすればエネルギー問題は解決する。

ほとんどの労働は、ロボットがとって代わるかもしれない。

そうなれば、日本の人口減少による労働力の問題も解決する。

むしろ、労働力が余る時代がくるかもしれない。

とにかく人間の想像力をはるかに超えた、予想もつかないような未来がやってくるというのは確かなことだろう。

大事なことはどのような変化がやってこようとそれに適応し、したたかに生き抜いてゆくことが多くの人に求められているということではないだろうか。

2016年3月24日 (木)

メイカーズ進化論/小笠原治

Photo 日本の大手メーカーの多くはこの「セットアップ」に失敗しているのではないでしょうか。言葉が悪いですがひとことで言えば「ダサい」のです。

日本のメーカーが苦境に陥っている。

ちょっと前まで好調だったシャープや東芝が、不正会計や身売りの話で、マスコミをにぎわすという体たらく。

どうしてこんなことになってしまったのか。

著者が言うには、それはセットアップに失敗しているから。

人々が競うように新商品に飛びつく要因は「どれだけ新しい技術が、その製品の中で使われているのか」ではなく、「どれだけ便利で生活が面白くなるのか」など、その製品のコンセプトにある。

そのコンセプトを生み出すのが「セットアップ」である。

いわば、どんな機能をモジュールの組み合わせで作り出し、カッコいい、かわいい外装部品でデザインできるかということ。

さらに、セットアップのセンスには二種類ある、という。

一つは感性に基づくもので、見た目や心地よさなど言葉にならないデザイン的な感覚。

もう一つは理性に基づくもので、数学的なセンスやロジックをきちんと理解すること。

こうしたセットアップの面で、日本は後塵を拝してしまった。

そろそろモノ作り神話から脱すべきときではないだろうか。

2016年3月23日 (水)

内向型人間のための伝える技術/望月実

Photo 外部からの刺激に対する敏感さが内向型人間の強みでもあり、弱みでもあります。

本書のタイトルが面白い。

わざわざ「内向型人間のための」と断っている。

著者自身が内向型人間だということだが、私自身も内向型人間だと思っている。

人前で話すことの多い仕事をしているので、「内向型」と見られないことが多いのだが、本質は内向型だと思っている。

そして、それはむしろ自分の強みだと思っている。

本書によると、内向型人間は外部から多くの情報を受け取ることができるため、細やかに世の中を観察することができ、多くの人が見落としてしまう重要なことに気づくことができる。

また、問題が起こった時には二度と失敗しないように内省する傾向が強いため、同じような失敗を繰り返しにくくなる。

内向型人間は、外部環境から多くの刺激を受け取るため、初対面の人が多いパーティや人前で話をすることが苦手である。

さらに、仕事をするときにも細かいことが気になってしまうため、不安を感じて必要以上にエネルギーを消費してしまう。

しかし、これらの弱みは、裏を返せば強みになる。

物事は見方次第ということであろう。

2016年3月22日 (火)

あなたの話はなぜ「通じない」のか/山田ズーニー

Photo_4 1通のメールでも、1回のミーティングでも、頭の部分で相手に、「この人いいな」と思ってもらえたら、あとの話は、ずっとよく伝わる。だから、「共感」を入り口にしたコミュニケーションは、強制よりも強くメッセージが届くのだ。「共感」されるとは、媚びたり持ち上げたりして相手に気に入られるのとは違う。自分の考え方・やり方で、「いいね!」「そうそう!」という相手の支持を得ることだ。

コミュニケーションが問題になることが多い。

コミュニケーション能力とは、自分の思っていること、考えていることが、相手にも同じように伝わり共感する能力のこと。

ところがこれがなかなかうまくいかない。

なぜ話が通じないのか?

一言でいえば、相手との間に「共感」がないからである。

確かに、ロジカルに言葉を組み立てるスキルも必要である。

しかし、そのようなスキルも、相手との間に「共感」がなければ、かえって相手の反発を招くかもしれない。

つまり、「何を言うか」よりも、「だれが言うか」が雄弁なときがあるということ。

自分のことを「信頼のおける人だ」と思っている相手なら、少々言葉が足りなくても通じる。

しかし、「いつも小言ばかり言ってうるさい奴だ」と思っている相手だとしたら、自分が話し掛けた時点で、相手は警戒し、フィルターをかけて聞くだろう。

相手から、もし、疑われているとしたら、何を言ってもダメ。

信頼回復が先だ。

話が通じるためには、日ごろから人との関わり合いの中で、自分というメディアの信頼性を高めていく必要がある、ということであろう。

2016年3月21日 (月)

関ケ原(下)/司馬遼太郎

Photo_3 家康の経験では、欲の熾んな人物ほど理解しやすくまた御しやすいものはない。その欲のありかを当方で洞察し、利をもって釣れば簡単にころぶ。いかに正義心もあり、道理にあかるい人物でも、欲心のつよい男はついには欲に負けることを、家康は知っている。

家康の特徴は、超リアリズムであるということ。

「人は欲によって動くもの」という考えが根本にある。

そして欲によって動く者ほど扱いやすい存在はいない、と思っている。

関ケ原で、東西、ほぼ布陣を終えたとき、その人数は、西軍十万余、東軍七万五千余であった。

数のうえでは西軍がやや優勢であった。

陣形の点でも西軍は圧倒的に有利で、東軍に対しほぼ完全な包囲陣形をとっていた。

図上作戦的にいえば戦わぬまえから三成の勝利は約束されているといってよかった。

一方、家康の利点は、目に見えない。

家康は自分の戦術不利を戦略でおぎなおうとしていた。

むしろ家康は開戦以前から西軍の切りくずしを進め、敵の大半に対して内部工作の手をうっていた。

しかもそのほとんどは家康になびき、裏切り、無抵抗逃亡などの約束をとりつけていた。

そこに漕ぎつけるまで家康はあらゆる謀略の限りを尽くしてきた。

戦う前から、勝敗は決していたと言ってよかったのかもしれない。

2016年3月20日 (日)

関ケ原(中)/司馬遼太郎

Photo_2 剛愎、というか。刃物でいえば三成はかみそりであっても、鉈や斧ではないのだ。鉈や斧ならば巨木を伐り倒してどのような大建築をも作事することができるが、かみそりはいくら切れても所詮はひげをそるだけの用しかできない。

西軍を率いた石田三成という男。

一言でいえばカミソリ。

対する家康はナタやオノ。

家康はもともと天才的な冴えをもった男ではない。

自分の独断を信ずるより、一同の賢愚さまざまの意見をききながら自分の意見をまとめてゆくという思考法をとってきた男だ。

しかし、腹の中では、何を考えているかわからないという油断ならぬ男でもある。

一方、三成はカミソリである。

物事に敏感でかたときもじっとしていられず、つねにつぎから次へと手を打つ。

三成は機敏すぎる。

家康が次々と怒らせるよう刺激を与えると、思う壺に反応してくる。

「豊臣家を二つに割る」と、家康はいった。

家康が天下をとる基本的な戦略方針といっていい。

豊臣家を二つに割ってたがいに抗争させ、家康はその一方を暗に支援し、手なずけ、やがてその上に乗っかって天下をむしりとってしまう。

「豊臣家を割るには三成ほど好都合な男はいない」と家康は思っていたのだろう。

2016年3月19日 (土)

関ケ原(上)/司馬遼太郎

Photo 「家康という人は、若いころから律義者で売ったひとだ。世の律義者には、ふたつの種類がある。本物の律義者、これは魅力はない。いま一つの魅力のある律義者とは、その内実は奸佞の心を抱き、虎狼の心をもち、しかも仮面をかぶって律義を売り物にしている者だ。家康だな」

天下分け目の戦い、関ケ原の戦い。

この豊臣秀吉亡き後、その後継をめぐって徳川家康率いる東軍と石田三成率いる西軍とが戦う。

どんな戦いもそうなのだが、勝敗を決するのはリーダーの力量であることが多い。

家康はどんな人物だったのか。

家康は若いころから律義者で通っていた。

しかし、単なる律義者はリーダーとしては無能であることが多い。

その意味で、家康は律義者であっても、その内実は「奸佞の心を抱き、虎狼の心をもち、しかも仮面をかぶって律義を売り物にしている者」であった。

まさにタヌキというにふさわしい人物である。

でも、今も昔も、実力者にはこのような面があるのではないだろうか。

2016年3月18日 (金)

最速で身につく世界史/角田陽一郎

Photo 革命とは「民衆の不満がたまって、勃発して、過激になり、独裁者が生まれ、さらに過激になって、反動で独裁者が倒され、元に戻る」という揺り戻しの繰り返し現象なのです。

著者はTBSテレビのバラエティ番組のディレクター。

テレビの特性は難しい世の中の出来事を一般の人にもわかりやすく伝えることであろう。

歴史の専門化でない著者が、歴史の本を書いたところにこの本の価値がある。

テレビ畑の人間であるだけに、歴史を分かりやすく記している。

世界の歴史を見ていると革命の歴史でもある。

著者によると、革命とは

①外部から理念が注入され、民衆の不満が発火して爆発する。

②旧体制が押さえ込もうとすると逆に過激になる。

③革命の理念が進めば進むほど純化する。

④旧体制のボスを処刑する。

⑤進みすぎて当初の理念を超えてしまう。

⑥揺り戻しの反動が起こる。

⑦独裁者が登場する。

⑧革命の成果が生まれる。

というプロセスをたどるとのこと。

そう考えると、日本の明治維新には「④旧体制のボスを処刑する」という行為がない。

とすると、明治維新は革命ではなかった、とも言える。

あえて言えば「改革」であろう。

しかし、日本にとって大きなターニングポイントになった出来事であることには変わりない。

あれだけの変化を「旧体制のボスを処刑する」という行為なしに成し遂げた。

これだけ見ても日本は特異な国と言えるのではないだろうか。

2016年3月17日 (木)

池上彰のこれが「世界のルール」だ!

Photo 1981年、新しく就任したばかりのフランソワ・ミッテラン大統領は、記者団との顔合わせの食事会に臨みました。その際、記者のひとりから隠し子がいることを尋ねられると、彼はたった一言、「エ・アロール?」(それが何か?)と答えます。大統領の仕事とプライベートな女性問題は関係ない、というわけです。当時のフランスのマスコミは、この返答を問題にしませんでした。

ミッテラン大統領のエピソードを読んで、日本のマスコミのレベルの低さを考えさせられた。

最近のマスコミ報道を見ていると、政治家の女性問題、金銭スキャンダル、失言問題が目立つ。

確かに政治家は清廉であることが望ましい。

しかし、それは本質的な問題ではない。

要は良い政治をしてほしいのである。

景気を良くしてほしいのである。

日本を良くしてほしいのである。

それさえしてくれれば、極論すれば、浮気しようが大した問題ではない。

お金に少々汚くとも、大目にみてもよい。

そもそも政治はお金がかかるものである。

金銭に全くキレイな政治家がどのくらいいるのだろう。

だったら、そんなことを問題にするより、もっと本質的なことを議論してほしいものである。

2016年3月16日 (水)

実践・交渉のセオリー/髙杉尚孝

Photo 交渉において絶対に忘れてはならないことは、相手も意思決定権を持っているということです。つまり、相手の合意がなければ、交渉は決裂してしまうという事実を認識している必要があるということです。ですから、相手という意思決定者の個人的感情を重んじることは不可欠なのです。

交渉術というと、自分たちに有利に事が進むようにあらゆる手段を駆使して相手と対峙する術という印象を与えがちだ。

あらゆる圧力によって相手の心理をかく乱させる戦術と、とらえがちである。

しかし、著者が勧めている交渉は全く逆である。

相手にも感情があることを重視する。

そもそも、洋の東西を問わず、交渉では相手の面子を保つことは鉄則である。

これは日本国内だけの話では決してない。

国籍を問わず、自分の自尊心を傷つけられることを好む人はいない。

著者は、生産的な交渉を、「お互いの満足度を高めるためのプロセス」としてとらえている。

それは、具体的な要求や立場に固執せずに、お互いの利害を満たす創造的な合意案を考え出すプロセスである。

そのためには、「これしかない」などと思い込まず、できるだけ数多くの代替案を創り出してみる必要がある。

つまり、相手の目的・関心事を知ることによって、お互いにハッピーになれるような利害の組み合わせを考えること。

これ、交渉の王道と言えるのではないだろうか。

2016年3月15日 (火)

99%無理な仕事をやり切る方法/三木雄信

99 孫正義は、すべてを数字で管理することを、部下に求めています。そうした数値管理として取り入れている一つの手法が「千本ノック」。

ソフトバンクでは、さまざまな売上、利益、人件費などの費用について、チーム別にすべて表とグラフになっているという。

経営会議にはチーム別にまとめたものが上がってくる。

それを見ながら、チームごとにすべて、「このチームはどうなんだ」と議論していくのが、ソフトバンクの経営手法。

現在では、こうした数値化のシステム化は進んでいて、管理職に対しては、携帯電話に一日に何度もその日の加入者の獲得本数が配信されているという。

もし数字が悪かったりすると、すぐに対応する。

こうした徹底したリアルタイムの数字管理の結果が、純増ナンバーワンにもつながっているのであろう。

全てを数値化し、その数値をグラフ化し、見える化するという手法。

中小企業でもすぐに取り入れ可能ではないだろうか。

2016年3月14日 (月)

不動の魂/五郎丸歩

Photo 世界で一番フィットネスが高く、世界で一番優れたアタックをするチームになるのだ」
 それを聞いて「行ける」と思った。

日本代表のヘッドコーチに就任したエディー氏が日本代表の最初のミーティングで言ったというこの言葉、

リーダーとしてのお手本のような言葉だ。

まず「我々のターゲットは世界のトップテンに入ることだ」と目指すべき目標を明確に示す。

そして、「そのために、我々は世界一フィットネスの高いチームになる」

更に、「もうひとつ、我々は世界で一番優れたアタッキングチームになる」

と、その方法をはっきりと示す。

そして、「そのためのトレーニングを明日、最初の練習から始める」

と、具体的なアクションを示す。

正に練られた言葉である。

優れたリーダーは自分の言葉を持っている、ということであろう。

2016年3月13日 (日)

余命半年の中国経済/渡邉哲也

Photo 実体経済の悪化が顕著化しこの嘘を認めなくてはいけなくなった時、現在の虚構にまみれた中国経済は終わりを告げるのであろう。くりかえしになるが、バブルが崩壊後、実体経済への影響が顕著化するまでに約6ヵ月から8ヵ月かかるといわれている。もう残された時間はわずかである。

前々から中国のバブルは崩壊すると言われていた。

オオカミ少年ではないが、「崩壊する」「崩壊する」と言って中々崩壊しないので、結局、中国経済は結構大丈夫なのではないか、という議論もあった。

しかし、最近の株価の暴落や企業の倒産等をみていると、いよいよその時が来たのか、という感を強くする。

中国の経済のバブル崩壊速度は、他に類をみない速度で進んでおり、異常な事態を呈している。

問題は、中国の経済の数字すべてが粉飾にまみれているということだ。

著者は「余命半年」と言っているが、願わくば、緩やかに、他の国に迷惑をかけないように崩壊してほしいと思うばかりである。


2016年3月12日 (土)

仕事は楽しいかね?/デイル・ドーテン

Photo そして尋ねた。「僕がいままでに掲げた目標が一つだけある。聞きたいかね?」
 ぜひ、と私は答える。
 〝明日は今日と違う自分になる〟だよ。

本書は一人のビジネスマンと高名な実業家との対話によって成り立っている。

対話の中で、「働くとは?」「成功とは?」そんなテーマを考えさせられる。

「仕事は楽しいかね?」

こう問われて、「楽しいです」と答えられるビジネスマンはどのくらいいるのだろう。

その中で、老人の語る〝明日は今日と違う自分になる〟という言葉には、思わず「ナルホド」と思わされた。

多くの目標は達成すれば、それで終わる。

しかし、〝明日は今日と違う自分になる〟という目標であれば、ずっと追い続けることができる。

そしてそれがそのまま自らの成長につながり、また、成功にもつながる。

短く読みやすい本だが、同時に、深く考えさせられる本でもある。

2016年3月11日 (金)

キャリア官僚の仕事力/中野雅至

Photo 僕は1990年に旧労働省入省。Ⅰ種法律・経済・行政職の同期入省は19人だが、すでに2人が亡くなっている。まだ四十代半ばであることを考えると、官僚仕事が体に悪いことは明らかだろう。

何かとバッシングされることの多い官僚だが、実態はどうなのだろう。

マスコミの報道を見ていると、すべての官僚が悪事を働いているかのような印象さえ持ってしまう。

また官僚仕事は非効率だとか、定時登庁・定時退庁の楽勝仕事だとか思われているフシがある。

しかし、本書で紹介されている実態は全く違う。

大部分の官僚は徹夜もいとわずハードな仕事をしている。

午前零時をすぎて帰宅することが普通で、睡眠時間は4~5時間の官僚が多数だ。

そもそも、一般的に霞が関の官僚に接触する機会のある人はそれほど多くない。

多くはマスコミ報道でしか官僚像を描くことができず、バイアスがかかった見方をすることが多い。

その意味で、私たち国民はいつの間にかマスコミに洗脳されているのかもしれない。

2016年3月10日 (木)

なぜあの男は空気で人を動かせるのか/内野彩華

Photo マイナー男は、王道で一番になれるものは持ち合わせていません。でも、得意なことをかけ合わせて、自分が戦える土俵を作り出します。そして、そのなかで一番になることができるのです。

著者によると、勝ち組になるには「王道男」になる道と「マイナー男」になる道がある、とのこと。

「王道男」は、いい学校に入るために受験勉強をし、いい会社に入るために就職戦争を乗り越え、たくさん給料をもらうために出世戦争に身を投じる。

競争、競争、競争で、どこまで行っても大人数のなかで横並びの競争を強いられ、勝ち残れるのは一握りだけ。

王道では、大多数の人が負けることになる。

何度か負けると、負け癖がつく。

負け癖がつくと、言い訳したり、人のせいにしたり、世の中のせいにしたりするようになる。

「どうせ勝てない」と思ったら、どんどん負けるようになる。

一方、「マイナー男」は、競争に巻き込まれないように、人気のない分野を探す。

勝つために、少数のところ、好きな分野を選んで戦う。

王道で勝てなくても、マイナーになると勝つ確率がぐんと上がる。

そして一度勝つと、勝ち癖がつく。

「勝てる」と思ったら、どんどん勝てるようになる。

負けても、「勝てる」と思っている限りは、戦って、必ずまた勝る。

というのである。

その意味では、世の中の多くの男は「マイナー男」を目指すべきではないだろうか。

2016年3月 9日 (水)

ちょっと待て、マイナンバー!/中島孝志

Photo マイナンバーは財務省の悲願でした。これでいつでも預金封鎖と財産税を課すことができます。

陰謀論というのは私はあまり信用しない方だが、少なくともマイナンバーは財務省にとってメリットのある制度であることは間違いないようだ。

マイナンバーが導入され完全実施されるようになるとどうなるのだろう。

国が国民の収入をすべて自動計算で把握するようになる。

税理士はいらなくなる。

サラリーマンの所得はほぼ10割捕捉される。

ペンネームで本を書いている人も会社に副業がすべて透けて見えるようになる。

一人一人の国民が現金、証券、金、プラチナ、ダイヤモンド、不動産、保険等々の資産をいくら持っているか。

納税状況はどうなっているか。

すべて、マイナンバー1枚でわかるようになる。

財務省が国民の資産情報をすべて押さえてしまう。

こうなると、財源が足りないとなったとき、いったい何人の資産家に、どのくらいの税率をかければ足りるか、財務省はコンピュータで瞬時にシミュレーションができるようになる。

こんな時代が近い将来やってくるかもしれない。

これが単なる空想で終わらないであろうことが恐ろしい。

2016年3月 8日 (火)

「できる人」を1分で見抜く77の法則/谷所健一郎

177 面接官は、最初の5分間で相手を見きわめている。
 転職者であれば、職務経歴、退職理由、志望動機、自己PRは、おおむね5分で終わる。5分間で、回答だけでなく、五感すべてを使い相手の表情、しぐさなどを観察し見抜いているのだ。最初の5分間でおおよその判断を下し、残りの時間は、その判断で間違いないかどうかを見きわめるために質問や会話をしている。

著者はこれまで1万人以上の人と面接をしたという。

確かに、これだけ数をこなせば「できる人」を見抜く目も養われるであろう。

そして、その人が書いた本は、それなりに説得力があるものだ。

だが、実践するとなると、非常に難しいのではないだろうか。

多くの面接官は素人に毛が生えた程度のレベルである。

そんな人であっても、「できる人」を見抜けるような仕組みを作り上げること。

むしろそのことが求められているのではないだろうか。

2016年3月 7日 (月)

プレイングマネジャー入門/嶋津良智

Photo ヤクルトの監督時代、野村氏が書いた本に「才能とは脳に埋め込まれた情報の数である」という文章を見つけたとき、まさにその通りだと思いました。脳のなかに引き出しがあればあるほど、いろいろな情報を引き出すことができます。その情報を猛スピードでつなぎ合わせることで、一つの結論、つまり直感が生まれるのです。

「直観」とは、単なるヤマカンではない。

ちゃんとした根拠がある。

人間が判断する場合、自分の意識に上がった情報のみを材料にするのか、

それとも、無意識の情報までその材料にするかで、判断の質や速さが違ってくる。

人間の無意識の世界が無限大である。

そこには、人がそれまで経験したこと全てが埋め込まれている。

それが脳の引き出しになる。

だからこそ、その質を上げる努力は普段からすべきである。

日ごろから意識して、たくさんの本を読んで知識や情報を仕入れたり、いろいろな人の話を聞いたりするとよい。

また、成功や失敗の経験を繰り返すことも、引き出しを増やしてくれる。

引き出しが増えれば「直感力」が高まる。

直感力が高まれば、自然と意思決定の質も上がり、正しい意思決定ができるようになるのではないだろうか。

2016年3月 6日 (日)

仕事はストーリーで動かそう/川上徹也

Photo アップル社の最高経営責任者(CEO)のスティーブ・ジョブズは、コンピューター内部の基盤の設計にも視覚的な美しさを求める。あるエンジニアが「誰がそんな機械の内部なんか覗くんですか?」と反論したところ、ジョブズは言った。「僕が覗くのさ」。

人はロジックやデータだけで動かない。

だからこそ、仕事やビジネスの現場でストーリーを活用することが必要となる。

ストーリーには感情を動かす力がある。

相手の感情を動かし、共感してもらうことで、自社と自社のサービスのファンになってもらうことができる。

「仕事で使うストーリー」の定義は以下のようなものになる。

仕事仲間・交渉相手・消費者などに対して語ることで、聞き手の想像力を刺激し共感を呼ぶ、フィクションではない、個人・商品・企業などにまつわるエピソードやビジョン。

またその発展形として、それらのエピソードやビジョンを元に、一般に幅広く伝えるために、小説・マンガ・映像などの形式でコンテンツ化したもの。

これからの時代は、「ストーリーがない会社には未来がない!」と言い切ってもいいかもしれない。

2016年3月 5日 (土)

加算混合の発想/大前研一

Photo 異なる色の光を重ねていくと、やがては透明になる現象を「加算混合」と言う。これとは対照的に、絵の具の色をいろいろ混ぜていくと、やがては黒になる。これを「減算混合」と呼ぶが、今の日本社会を表すのに適している言葉ではないだろうか。いろいろな人の意見を聞くフリをして最終的な調和を目指そうとすると、まるで絵の具を混ぜているように、結局真っ黒になって何も見えなくなってしまう。

多様な意見を取り入れることは重要だ。

これらが化学反応を起こし、それによって新しい発想が生まれる。

そして新しい可能性が見えてくる。

ダイバーシティのメリットもこんなところにある。

ところが、日本の場合、必ずしもそうはならない。

多様な意見を取り入れた結果、真ん中を取って当たり障りのない結論に落ち着く。

こうなってしまう。

これは日本の最も悪い特徴と言える。

何がそうさせるのか。

この日本人独特の体質を変えない限り、形の上だけでダイバーシティを取り入れても、意味がないのではないだろうか。

2016年3月 4日 (金)

世界が一瞬で変わる潜在意識の使い方/石山喜章

Photo 人間関係をつくる基本は、自分のマインドームを理解することです。
 己の潜在意識を観察して、どんなパターンが多いのか自覚し、その背景にある判断基準とアイデンティティーがわかれば、関係性を変化させる糸口は必ず見つかるのです。

「マインドーム」という言葉。

これが本書のキーワードと言ってよい。

「マインドーム」とは、「マインド(心)」と「ホーム(家)」を合わせた観術の造語で、人間がそれぞれ持っている「判断基準」を指す。

マインドーム(心の家)によって、私たちは自分の考えや感情、言葉や行動、誰とどういった関係を築くかを判断している。

そして、マインドームは人生の範囲を決める基準点であると同時に、コミュニケーションの出発点かつ終着点でもある、というのである。

なんとなく、分かったような分からないような感じなのだが、潜在意識の分野は、このくらい、未開の部分が多いということであろう。

また、それだけに、今後最も可能性のかる分野の一つであるとも言えるのではないだろうか。


2016年3月 3日 (木)

諦める力/為末大

Photo 「自分の才能や能力、置かれた状況などを明らかにしてよく理解し、今、この瞬間にある自分の姿を悟る」

「諦める」というと、マイナスのイメージが付きまとう。

しかし、「諦める」という言葉の語源は「明らめる」だという。

仏教では、真理や道理を明らかにしてよく見極めるという意味で使われ、むしろポジティブなイメージを持つ言葉だというのだ。

日本人は、

「やればできる」「夢はかなう」「努力は必ず報われる」

こんな言葉を好んで使う。

この言葉に励まされたからこそ成功を手にした人がいることは否定しない。

こうした言葉を伝えることが優しさという時期もある。

だが、ほとんどの人はこの言葉を信じて努力したにもかかわらず、成功を手にできなかったはずだ。

言葉が重荷となり、プレッシャーに負けてしまったり、やめる時期を逸してしまった人も少なくないのではないだろうか。

「諦める力」とは、自分の身の丈を知り、現実を受け入れ、そこを起点としてポジティブに生きるということではないだろうか。

2016年3月 2日 (水)

モテるひと言/檀れみ

Photo アナタは、女性に向かって、「疲れてる?」と聞いたことはありませんか?コレ、女性にとっては絶対に言われたくないひと言なのよね。言われた瞬間、女性はみな同じことを感じている。えっ、私はくすんで見えるのか?→いったい、どれだけヒドイ顔をしているのだろう……。→もう、お家に帰りた~い。

今、企業では女性の活用が大きな課題になっている。

男中心の社会だった会社が、徐々に変わり始めている。

しかし、男の何気ない一言が、女性を傷つけたり、モチベーションを下げたりしていることは意外と多いものである。

いや、これは他人事ではなく、私自身がそうだと思う。

例えば「疲れてない?」という言葉。

確かに何気なく使っていた。

その言葉を聞いた女性がどんな感情を持つかを知らないまま。

だから上記の文章を読んだとき、ハッとさせられた。

おそらくこれに類することは多くあるのだろう。

考えてみたら怖いことだ。

特に無自覚だったということが怖い。

2016年3月 1日 (火)

「論理力」のある人が成功する/出口汪

Photo 人生とは、見方を変えれば、読み、話し、書き、そして、考えの繰り返しではないか。これらの行為は誰もが毎日、しかも一生繰り返すのであって、そうした試みの中で、初めて様々な成果が生み出されるのである。
 そうした毎日の試みの中に、もし論理力=ロジックを自由自在に取り入れることができたら、その人の人生はかなり違ったものになるだろう。

私たちは毎日膨大な文章を読み、多くの人と話し、絶えず考えている。

これが日常生活である。

そして、その日常の繰り返しが、いつの間にか私たちの人生を変える。

つまり、この繰り返しが、単に同じところをぐるぐる回るだけなのか、それとも一つ一つを経験値として積み重ね、成長の糧とするか、の違いである。

では、そのためには何が必要か?

それはロジカルに物事を考えることである。

仕事に限らず、人生をムダにしないためにも、ロジカルシンキングは必須のスキルではないだろうか。

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