« 関ケ原(上)/司馬遼太郎 | トップページ | 関ケ原(下)/司馬遼太郎 »

2016年3月20日 (日)

関ケ原(中)/司馬遼太郎

Photo_2 剛愎、というか。刃物でいえば三成はかみそりであっても、鉈や斧ではないのだ。鉈や斧ならば巨木を伐り倒してどのような大建築をも作事することができるが、かみそりはいくら切れても所詮はひげをそるだけの用しかできない。

西軍を率いた石田三成という男。

一言でいえばカミソリ。

対する家康はナタやオノ。

家康はもともと天才的な冴えをもった男ではない。

自分の独断を信ずるより、一同の賢愚さまざまの意見をききながら自分の意見をまとめてゆくという思考法をとってきた男だ。

しかし、腹の中では、何を考えているかわからないという油断ならぬ男でもある。

一方、三成はカミソリである。

物事に敏感でかたときもじっとしていられず、つねにつぎから次へと手を打つ。

三成は機敏すぎる。

家康が次々と怒らせるよう刺激を与えると、思う壺に反応してくる。

「豊臣家を二つに割る」と、家康はいった。

家康が天下をとる基本的な戦略方針といっていい。

豊臣家を二つに割ってたがいに抗争させ、家康はその一方を暗に支援し、手なずけ、やがてその上に乗っかって天下をむしりとってしまう。

「豊臣家を割るには三成ほど好都合な男はいない」と家康は思っていたのだろう。

« 関ケ原(上)/司馬遼太郎 | トップページ | 関ケ原(下)/司馬遼太郎 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 関ケ原(中)/司馬遼太郎:

« 関ケ原(上)/司馬遼太郎 | トップページ | 関ケ原(下)/司馬遼太郎 »