加算混合の発想/大前研一
異なる色の光を重ねていくと、やがては透明になる現象を「加算混合」と言う。これとは対照的に、絵の具の色をいろいろ混ぜていくと、やがては黒になる。これを「減算混合」と呼ぶが、今の日本社会を表すのに適している言葉ではないだろうか。いろいろな人の意見を聞くフリをして最終的な調和を目指そうとすると、まるで絵の具を混ぜているように、結局真っ黒になって何も見えなくなってしまう。
多様な意見を取り入れることは重要だ。
これらが化学反応を起こし、それによって新しい発想が生まれる。
そして新しい可能性が見えてくる。
ダイバーシティのメリットもこんなところにある。
ところが、日本の場合、必ずしもそうはならない。
多様な意見を取り入れた結果、真ん中を取って当たり障りのない結論に落ち着く。
こうなってしまう。
これは日本の最も悪い特徴と言える。
何がそうさせるのか。
この日本人独特の体質を変えない限り、形の上だけでダイバーシティを取り入れても、意味がないのではないだろうか。
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