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2016年3月21日 (月)

関ケ原(下)/司馬遼太郎

Photo_3 家康の経験では、欲の熾んな人物ほど理解しやすくまた御しやすいものはない。その欲のありかを当方で洞察し、利をもって釣れば簡単にころぶ。いかに正義心もあり、道理にあかるい人物でも、欲心のつよい男はついには欲に負けることを、家康は知っている。

家康の特徴は、超リアリズムであるということ。

「人は欲によって動くもの」という考えが根本にある。

そして欲によって動く者ほど扱いやすい存在はいない、と思っている。

関ケ原で、東西、ほぼ布陣を終えたとき、その人数は、西軍十万余、東軍七万五千余であった。

数のうえでは西軍がやや優勢であった。

陣形の点でも西軍は圧倒的に有利で、東軍に対しほぼ完全な包囲陣形をとっていた。

図上作戦的にいえば戦わぬまえから三成の勝利は約束されているといってよかった。

一方、家康の利点は、目に見えない。

家康は自分の戦術不利を戦略でおぎなおうとしていた。

むしろ家康は開戦以前から西軍の切りくずしを進め、敵の大半に対して内部工作の手をうっていた。

しかもそのほとんどは家康になびき、裏切り、無抵抗逃亡などの約束をとりつけていた。

そこに漕ぎつけるまで家康はあらゆる謀略の限りを尽くしてきた。

戦う前から、勝敗は決していたと言ってよかったのかもしれない。

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