リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間/高野登
サービスの技術や技能は訓練すれば習得できます。知識もキャリアを積めば自然に身につくものです。しかし、その人の人格や価値観は長い時間をかけてつちかわれてきたものであり、あとからそう簡単に変えられるものではありません。テクニックはあとから訓練できたとしても、パーソナリティは鍛えられないのです。
著者がリッツ・カールトンの採用面接を受けたとき、実績やスキルについてはあまり質問されなかったという。
むしろ「最近、どんな本を読みましたか?その本のどこに感動しましたか?」
「先月、自分の家族を喜ばせるために何をしましたか?」
「同僚があなたに協力的ではなかったとしたら、あなたはどうしますか?」
といったように人間性や性格を探るような質問が中心だったという。
確かに、パーソナリティの部分は変えることはできない。
しかし、スキルは訓練すれば身に付けることが出来る。
たとえば人とコミュニケーションを取るのが好きだという人ならば、最初は接客のノウハウがなくてもいい。
まさに「好きこそ物の上手なれ」で、本人が進んで接客の技術や知識を身につけていくだろう。
つまり、優秀な人材を育てられるかどうかは採用時にほぼ決まってしまうといってもいいだろう。
変わらない部分を採用時に見極めるというのは非常に合理的な考え方だと思った。
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