出現する未来から導く/C・オットー・シャーマー、カトリン・カウファー
すでに4・0の世界(エコ)で動いている現実と、ほとんど2・0の思考世界(エゴ)にとらわれたままのリーダーシップをどう一致させればいいのだろう。その一致こそが、リーダーの新しい仕事の真髄だ。
本書では経済思想の変遷を4段階に分類している。
1.0は国家中心モデル。
単一セクター社会における階層制と支配を通した調整を特徴とする。
2.0は自由市場モデル。
第二のセクター(民間)の台頭と、市場と競争のメカニズムを通した調整を特徴とする。
3.0は社会的市場モデル。
第三のセクター(NGO)の台頭と、組織された利益団体間の交渉による調整を特徴とする。
4.0は共創造のエコ‐システム・モデル。
すべてのセクターの利害関係者の参加によるセクター横断的イノベーションのためのプラットフォームを創造し、場をホールド(保持)する第四のセクターの台頭を特徴とする。
エコ‐システムとは、その構成要素が、周囲の環境、つまり生態学的、社会的、知的、精神的な状況と一つの単位、いわば家全体として相互に作用し合うシステム。
つまり現在はすでに4.0に突入しているのだが、リーダーシップの考えは2.0のままということが多い。
また、今日の実体経済は高度に相互依存的なエコ‐システムの集合であるが、その中のプレーヤーの意識は多くのエゴ‐システムに分裂している。
エコ‐システムの現実とエゴ‐システムの意識のギャップを埋めることが、今日のリーダーシップの最も重要な課題だということであろう。
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