人工知能は人間を超えるか/松尾豊
オックスフォード大学の研究報告では、今後10~20年ほどで、IT化の影響によって米国の702の職業のうち、約半分が失われる可能性があると述べている。米国の総雇用のなんと47%が、職を失うリスクの高いカテゴリに該当する。
人間のすべての脳の活動、すなわち、思考・認識・記憶・感情は、すべてコンピュータで実現できる。
近い将来、人工知能が、行動に基づく抽象化ができるようになると、可能性はどんどん広がってくるという。
たとえばロボットが「人間の手を強く握ると、人間は痛いと感じる」といったことを理解して、痛くないようにやさしく握る、傷つけないように運ぶなど、人間にしかできなかったような繊細な行動ができるようになる。
その結果、物流や農業など、それまで「モノ」を対象としてきたロボットの活動範囲が、対人的なサービスにまで広がるだろう。
たとえば家事、医療・介護などの分野にロボットが進出してくる。
また、こういう言い方をすると相手は喜ぶといったように、感情をコントロールするような対応ができるようになる。
受付やコールセンター業務も人工知能が行うことが可能になるのかもしれない。
製造業では、ひと昔前まで機械では実現できなかった熟練工の技術も、少しずつロボットで代用可能になっていくだろう。
これは一部の人間にとっては脅威かもしれない。
しかし、日本はこれから人口減少社会に突入する。
労働力が減ってくる社会において、人工知能の進化はプラスの面で働くのではないだろうか。
« マーケティングマインドのみがき方/岸田雅裕 | トップページ | 「余命3ヵ月」と伝えるときの医者のホンネ/奥仲哲弥 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
« マーケティングマインドのみがき方/岸田雅裕 | トップページ | 「余命3ヵ月」と伝えるときの医者のホンネ/奥仲哲弥 »
コメント