マーケティングマインドのみがき方/岸田雅裕
マーケット・ドライビングは、自分たちにとって出したいもの、自信のある製品を出すというタイプ。市場でいま何が人気かなどということはあまり気にせず、顧客の声に耳を傾けないというタイプです。
マーケット・ドリブンは世の中の動きを敏感に察知し、人々が求めるものを出すというタイプ。顧客の声に熱心に耳を傾けるタイプです。
私は桑田佳祐率いるサザンオールスターズと、ユーミンこと松任谷由実は、それぞれのタイプの代表的な存在だと思っています。
サザンとユーミンをマーケットの二つのタイプに分けて説明しているのは興味深い。
サザンはマーケット・ドライビング型、ユーミンはマーケット・ドリブン型だと。
ユーミンは、いかにマーケットに自分がぴったりよりそって行くかというつくり方。
ユーミンが用賀のレストランで、一般客を装いながら普通の女の子のおしゃべりに耳を「ダンボ」のようにして、いまの若い女の子たちが何に関心を持ち、何にあこがれているかをリサーチしていたというエピソードは有名である。
ユーミンはそうやって独自の市場調査でみつけた時代の気分のようなものを歌詞に織り込み、若い女性たちの心をつかんでいった。
一方サザンは世の中の動きとは関係なく、自分たちが世の中に問いたいものができたときにアルバムを発表するというスタンスだった。
つまり、「サザンらしさ」にこだわり続けたということ。
マーケット・ドリブン型は顧客の声に耳を傾け続け、変化し続けなければならないが、マーケット・ドライビング型は自分らしさを貫き続ければよい。
現在、幅広い層に受け入れられているのは、サザンの方だと思うのだが、この結果が何を意味するのか?
この結果だけを見て、どちらが優れていると断言することはできないとは思うのだが。
« あなたが年収1000万円稼げない理由。/田中和彦 | トップページ | 人工知能は人間を超えるか/松尾豊 »
コメント