米原万里の「愛の法則」
グローバリゼーションは「グローブ」という言葉が基になっています。グローブというのは、地球の球、地球儀のことです。英語で地球はアースでしょ? と思われるかもしれませんが、グローブは地球の球形、つまり丸いことを強調するときに使います。グローバリゼーションというのは、英語ですから、イギリスやアメリカが、自分たちの基準で、自分たちの標準で世界を覆いつくそうというのがグローバリゼーションです。
これは国際人である著者だからこそいえることだと思う。
「国際化」と言うとき、日本人が言っている国際化は、国際的な基準に自分たちが合わせていくという意味である。
ところがアメリカ人が言うグローバリゼーションは、自分たちの基準を世界に普遍させるということ。
自分たちは変わらない、しかし、相手には変わることを要求する。
自分たちは正当であり、正義であり、自分たちが憲法である。
これを世界各国に強要していくことがグローバリゼーションである。
つまり、同じ国際化と言っても、自分を世界の基準にしようとする「グローバリゼーション」と、世界の基準に自分を合わせようとする「国際化」とのあいだには大きな溝がある。
真逆の意味である。
だからグローバリゼーションという言葉が新聞やテレビででてきたとき、それがどんな意味どんな文脈で使われているのか、注視する必要があるということであろう。
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