[真珠湾]の日/半藤一利
そして新聞はそれぞれが勇ましい論陣を張った。「一億総進軍の発足」(東京日日新聞)、「国民の覚悟に加えて、諸般の国内体制の完備に総力を集中すべきとき」(朝日新聞)。どこもかしこも、対米強硬を笛や太鼓で囃したてていた。
日本はなぜあの無謀な戦争を始めたのか?
軍部の暴走がそうさせた。
それが定説となっている。
しかし、本当にそうなんだろうか?
本書を読んでみると、むしろ、煽っているのはマスコミであり、それに扇動された国民であるように感じる。
軍部や政治家は、その空気に抗しきれなくなって戦争に突入した、というのが真実なのではないだろうか。
それにしても、日本人は「空気」に動かされる民族だとつくづく感じる。
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