また、あの人と働きたい/黒岩功
スタッフの成長は、言葉づかいにはっきりと表れてきます。これは順序があり、本意→本質→真意という段階をたどります。
本意というのは「自分本位な言葉」と言い換えることができる。
自分本位な言葉は人を傷つける。
たとえばランチタイムの慌ただしい時間に、まわりのスタッフに対して大きな声で「動け動け!」「急げ、何やってるんだ!」と叫んでしまう。
人の気持ちを考えないから「自分本位な言葉」が出てくる。
いくらスタッフに檄を飛ばしたところで、そのとおり早く動けるはずがない。
人には感情があるのだから。
かえって反発を招いてしまう。
では本質とは、どういうことか。
これは、物事がどうあるべきか、を意味している。
たとえばスタッフが気持ちよく働いている状態であり、慌ただしいなかでもキビキビと自分の役割を喜んでこなしている姿である。
そして、真意とは、そうした本質にたどり着くために必要な発言や行動、考え方のこと。
ここまでくると、なぜ「急げ!」と叫ぶことがいけないのか、わかってくる。
それは働くスタッフの喜びを阻害してしまうから。
ここでは、たとえば 「忙しいね、バタバタしているね、でももうちょっと、お客さまのためにもがんばろう」などと言ったほうがいい。
そして、スタッフをつねに観察し、気遣い、日常の中で声をかけていく。
それが真意である。
ここまでたどり着けるかどうかが問題。
この本意→本質→真意の段階、
スタッフの成長のロードマップになるのではないだろうか。
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