コーチング・アクロス・カルチャーズ/フィリップ ロジンスキー
私は、コーチングを「人々の潜在能力を解放し、有意義で重要な目標に到達することをファシリテートする芸術」と定義しました。コーチは人々が成長し、そして結果を出すための手助けをします。私はコーチングの比類なき貢献は、「存在すること」と「行動すること」を統合させることからくると信じています。
今やコーチングは管理職の必須スキルとなっている。
著者はコーチングの貢献は、「存在すること」と「行動すること」を統合させることからくる、といっている。
「存在すること」とは、達成と均衡のために努力すること、リーダーシップ能力を育成すること、建設的関係を構築すること、であり、
「行動すること」とは、ビジネスの結果や拡大を達成すること、であると述べている。
そしてコーチングはそれらを統合するのだと。
つまり人と組織の力を最大化させ、行動化することによって結果を出すこと。
ところが、その時、問題となるのは、人はそれぞれ違うということ。
それぞれが違った文化・環境で育ち、違った自我・気質を持っている。
国籍や民族が違えばなおさらである。
当然コーチングも十把一絡げというわけにはいかない。
例えば、「成長」のような中核的な規範や価値観についてさえ、その相違性を受け入れる必要がある。
成長は確かに人生に本来備わっているものだが、コーチが成長をあまりにも強調しすぎることで、一種の強迫観念となってしまうこともある。
常に人生においてさらなる達成と成果を求めるあまり、自分が持っているものに感謝することを忘れ、逆に失望してしまうことがある。
人生をありのまま受け入れるという知恵もあるはずであり、それが適している人もいる。
そう考えると、通り一辺倒のコーチング手法は、場合によっては害毒になることさえあると言えるかもしれない。
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