クローズアップ スクープ/今野敏
「はっきり言っておきますけどね。俺は、どちらの味方でもありません。ただ、偏った報道によって世の中が特定の方向に傾いていくのが気持ち悪いだけです」
この小説はニュース番組の遊軍記者、布施の活躍を中心にが描かれている。
飄々とした態度で誰とでも仲良くなり、数々のスクープをものにする。
しかし、ガツガツとしたところはまったくない。
面白いキャラクターだ。
しかし、スタンスははっきりしている。
そして分をわきまえている。
マスコミとはあくまで事実をありのまま伝えるのが仕事。
あくまで判断のための材料を提供しているに過ぎない。
判断は観る人に委ねる。
確かに最近のマスコミの自分たちにこそ正義がありとの姿勢、はっきりいって気持ち悪い。
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