第四権力/高杉良
「おっしゃるとおりかも知れない。ただし、第四権力の劣化は酷いことになってるよな。いつだったか役員とそんな話をしたが、テレビ、新聞の検証能力が低下しているのは紛れも無い事実だろう。第四権力なんて死語になるかもな。批判精神、野党精神を保持しているのは週刊誌と夕刊紙だけとも言える。いや、地方紙は頑張っているかねぇ」
「活字コンプレックスっていうやつだな」
この小説の舞台はテレビ東日。
明らかにテレビ朝日をモデルにしている。
内容は次期社長をめぐる権力闘争。
そして東日新聞(朝日新聞)との確執。
そしてその中で見え隠れするのがテレビマンの活字コンプレックス。
今や社会に対する影響力は新聞よりもテレビの方が上だと思うのだが、心のどこかに活字コンプレックスがある。
それが会話の端々に出てくる。
テレビ局を辞めた人間が活字の世界に飛び込む例が多いのも、こんなことが背景にあるのかもしれない。
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