リーダーたる者の極意/梅谷忠洋
真の「リーダーたる」者は、常に「明鏡止水」の心を保ち、あらゆる問題を正しく解決する能力とあらゆる時代に沈着冷静に対応する能力を備えなくてはなりません。
「明鏡止水」とは「人は流水に鑑みること莫くして、止水に鑑みる。唯止まるもののみ能く衆衆の止まらんとするものを止む」という孔子の言葉からきている。
「人は流水を鏡として使うことはなく、静止した水を鏡とする。ただ不動の心を得た者のみ、心の安らぎを求める者に対して、それを与えることができる」との意味。
そしてリーダーには「明鏡止水」が必要だと。
自分が不動の心を持つと、人の心がよくわかるようになる。
著者はそれを武士道に求めている。
武士というと荒くれ者をイメージするが、元来はおとなしく品の良い人が多く、しかしながら「イザ」となったら命をかけて戦う覚悟を持っていた。
大事な仕事、瞬間のために「静かな自分」をつくること、すなわち「明鏡止水」の境地を得ることを心掛けていた。
人間の内面は目に見えない。
その部分に意識を向けることが必要だと。
自分の内面に意識を向け、不動の心をつくる。
人間は一所懸命に物事に傾注すると、微動だにしない「明鏡止水」の境地を得ることができる。
そうしたとき、初めて人の内面の動きが分かるようになる。
組織や集団を変えるためには、「目に見えない」部分を変える必要がある。
「明鏡止水」の境地を得る事が、真のリーダーになる第一歩であるといえよう。
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