人間は9タイプ 仕事と対人関係がはかどる人間説明書/坪田信貴
実際、多くの指導者の方は、部下が「自分の合わせるべき」という意識でおられるようです。そして、自分の方針に「合わない」となれば、「素直じゃない」、「使えない」、「気が利かない」、「こいつはダメだ」というレッテルを貼って、半ば切り捨ててしまう――それはすごくもったいないし、乱暴なことだと思うのです。
映画「ビリギャル」の原作者の著書である。
塾の講師である著者はまず子供たちのタイプを見分け、それにあった指導をすることによって、効果を上げてきたという。
そして、それはビジネスの場面でも全く同じことが言えるという。
多くの上司は「部下は自分に合わせるべき」と思っている。
いや、そう思っていなくとも、やっていることは、それと同じことをやっている。
そのような姿勢でいると、上司に合っている部下は成長するが、合わない部下は成長しない。
そして、成長しない部下は「あいつはダメな奴」と切り捨てる。
これから人口減少社会に突入し、特に若者が少なくなる時代に、これはモッタイナイ話である。
もっと人を大事にしなければならない。
「わが社は人を大事にする会社です」とうたっている会社は多くある。
しかし、実態が伴っている会社はほんのわずかである。
人を大事にするとはどういうことか?
それは、人にはそれぞれタイプと個性があり、それぞれ別々の言葉や接し方をしなければ動かないという前提に立つことである。
「夢をかなえるために頑張ろう」といって、燃える社員もいれば白けてしまったり、そっぽを向いてしまう社員もいる。
その反応を見て、「あいつは変わった奴だ」と切り捨ててはならない。
人はそれぞれ、受け入れられる言語が違うのだから。
相手が受け入れる言葉を使えなかった自分が悪い、未熟なのだと思わなければならない。
これからの時代、このような姿勢が上司に求められるのではないだろうか。
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