仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方/宇都出雅巳
ワーキングメモリが貯蔵できる事象は、せいぜい7つ前後(7±2)と言われています。最近の研究ではもっと少なく、4±1という説もあるほどです。
人はミスをする動物である。
だからミスをゼロにするのは不可能なこと。
ただ、そうはいってもミスをできるだけなくすための努力はする必要がある。
実はそもそもわれわれの脳自体がミスを起こしやすいメカニズムになっている。
しかもそれは、「忘れた!」というミスに限らず、そのほかのミスも脳の「記憶」にほとんどの原因がある。
私たちは、そのことを知らないがために、ミスをしてしまう。
脳は思いのほか頼りにならない。
その脳に対して知らず知らずに悪影響を与えているのが私たちの記憶であるということが、最近の脳科学、認知科学の研究で急速に明らかになってきた。
私たちが目の前の事象に対して、ワーキングメモリーをもとに判断し、行動する。
ワーキングメモリーとは、パソコンのメモリーのようなもの。
一時的な記憶装置である。
パソコンでも、画面上でメモリーの容量を超えるソフトを動かそうとするとフリーズする。
それと同じようなことが人間のワーキングメモリーでも起こる
ワーキングメモリが貯蔵できる事象は、せいぜい7つ前後。
この許容量を超えると人間はミスを連発する。
つまり、メモリーミスは記憶に対する「期待」と「現実」のギャップから生まれるのである。
だからミスを減らすには、このワーキングメモリーの限界を前提に対策を立てるべきなのである。
こう考えると、単に「二度とミスをしないように気を付ける」と、意識レベルの問題としてとらえている限り、ミスが減らないのは明らかである。
ただ、実際にはそのようにやっている人がほとんどなのではないだろうか。
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