頭がよくなる逆説の思考術/白取春彦
日本の歴史の中で明治時代に大きな社会変化が起きたのは体制が変わったせいばかりではない。外国語文献の翻訳を通じて、概念を表現するための造語がたくさんつくられたからだ。その新しい言葉を使って人々が新しい考え方をするようになったからだ。
意識を変えるためにはまず言葉を変えることである。
新しい言葉を覚えたり使ってみたりすることによって自分のものにする。
それによって自分の意識や行動が変わってくる。
自分を変える一番簡単な方法とはこれではないだろうか。
新しい言葉が自分の中に入ってくると、今まで点々と孤立していた言葉や意味の間にいくつもの橋が渡される。
そこに意味というものが発生し、今まで曖昧だったもののつながりがはっきりと理解される。
そして、そこから新鮮な発想や斬新な打開策がおのずと生まれてくる。
言葉はそのようにして、わたしたちの頭に新しい関連性の光を点火してくれる。
その意味でボキャ貧は、発想の貧弱さにもつながる。
もっと言葉を大切にすべきだろう。
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