今日は、心をみつめる日。/衛藤信之
あなたがなにげなく過ごした今日という日は、昨日死んだ人にとってどうしても生きたかった明日であるのです。
一般的に、幸福を手にする方法は二とおり考えられる。
第一は、いまの幸せに感謝すること。
第二は、夢や目標を追い求め成功を獲得すること。
この二つである。
人生には成功もあれば失敗もある。
成功し続ければよいのだが、なかなかそうはいかない。
そうすると、振り子のように幸福と不幸の間を行ったり来たりする。
これではなかなか幸福にはなれないであろう。
それよりは「いま」に感謝することである。
そもそも夢や目標を追い求めるにしても、本当の幸福感はそのプロセスにあるのではないだろうか。
わからない、知らない、できない、足りない、そういう未知や不足があるから、人には前へ進もうとする力が生まれてくる。
また、そうした足りない部分を自分の手で克服しようとするところに、苦しみもあれば楽しみもあり、成長の喜びもある。
その意味で、「ない」こと、「不足していること」は、けっして不幸せにつながるマイナス要素ではない。
むしろ幸福の種子であり、人が成長するための力となる「のびしろ」だと考えるべきである。
幸せとは、何を手にしたかという結果よりも、何を目指したかという道のり、プロセスにこそ存在する。
ほんとうの幸福とは到達点でなく、「道のり」にあると知るべきだろう。
そして「いま」をどれだけ大事にして、いかに楽しむか。
いま、この瞬間をどれほど深く味わえるか。
それによって私たちの幸福の深さは決まってくるのではないだろうか。
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