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2017年2月 8日 (水)

安倍政権にひれ伏す日本のメディア/マーティン・ファクラー

Photo イギリスではガーディアンは左、デイリー・テレグラフは右と、左右の政治色の違いがはっきり分かれている。イギリスでも日本でも、新聞にイデオロギー色が強いことには特に問題はない。左寄りであろうが右寄りであろうが、政治権力からの圧力に屈せず調査報道を追究できるかどうかが問題だ。

著者はニューヨーク・タイムズ紙の元東京支局長。

ニューヨーク・タイムズといえばリベラルの代名詞だが、本書の内容も非常にリベラル色の強いものとなっている。

ただ、右であろうが左であろうが、事実を報道することにおいて、その役割は共通するものであろう。

権力は暴走するもの、それをチェックするのがメディアの役割だとよく言われる。

著者は、14年に朝日新聞が慰安婦関連の記事取り消しで紛糾しているとき、産経新聞や読売新聞が安倍政権と一緒になって朝日新聞を攻撃していることを批判している。

政権から攻撃されたとき、ジャーナリストはお互いに協力して守り合わなければならない、と。

しかし、これは違う。

朝日新聞の一連の慰安婦報道は明らかにねつ造だ。

事実を報道していない。

事実を報道するというジャーナリズムの本分からかけ離れた姿勢だ。

その姿勢を他のメディアが守る必要はない。

是は是、非は非であるべきだ。

そしてメディアもまた権力である。

もしかしたら、政治家以上の権力を持っているかもしれない。

権力をチェックするのがジャーナリズムの役割であるならば、他のメディアもその例外とすべきではない。

ただ、メディアは権力に屈すべきではないという基本的な考えには共感できる。

その姿勢においてはアメリカのメディアは強固なものがあるのだろう。

そしてそれは健全なものだと思う。

いま、トランプ大統領の暴走が注目を集めている。

しかし、アメリカのメディアが健全である限り、どこかで軌道修正するだろう。

また、それを期待したいと思う。

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