ウェブニュース一億総バカ時代/三田ゾーマ
あなたが〝ニュース〟や〝報道〟だと思って読んでいるものが実は〝広告〟かもしれない。多くのニュースサイトが、規制が入らないことをいいことに多くのユーザーを〝バカ〟にして食い物にしている。この状況を放置して本当に大丈夫なのか?
いま、ステマ記事が横行しているという。
「ステマ」とは「ステルスマーケティング」の略で、レーダーに映らないステルス戦闘機のように「消費者に分からないように宣伝活動を行うこと」。
ユーザーに分からないように宣伝活動を行うことで、さも「本当に」その商品の価値が高いように見せかける手法のことだ。
例えば、医療情報寄りの記事の中に「その記事の中で自社の栄養補助食品を紹介してほしい」みたいなステマ案件が混じっていることがある。
広告であることを隠して広告活動をする「ステマ」が横行していると何が起きるだろうか。
製品を褒める記事が載れば「これはステマかもしれない」と疑いたくなるし、逆に貶すような記事が載れば「競合による〝逆ステマ〟か?」と疑うであろう。
つまり、私たちは報道機関が発する情報を信じることができなくなってしまうのだ。
そうなれば、報道機関などは終わりである。
真偽不明の情報が玉石混交で掲載されているという点で言えば、匿名掲示板や個人のブログと全く同じ程度のものになってしまう。
紙媒体の時代の序列は、編集者、広告主、広告営業の順番だったという。
今のウェブニュースにおいての序列は、広告主、広告営業、編集者の順に変わってしまった。
それはなぜか。
雑誌は、広告だけでなく読者に直接販売することでも売上が発生する。
だが、ウェブは無料だから広告がないと成り立たない。
『誰が食わせてやってるんだ。広告がないとウチは潰れるんだぞ』と言われてしまうと編集も強く反論できず、あからさまなステマ記事であってもそのまま掲載せざるを得ないのが現状だ。
ウェブ記事の儲ける仕組みをよく理解した上で読む必要があるということであろう。
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