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2017年2月 6日 (月)

暗闘/山口敬之

Photo「ほとんどが雑談で、実質的な内容はなかった」
「トランプはほとんど発言せず、主にマイケル・フリンがやり取りした」
「イヴァンカやクシュナーがたびたび口を挟んだ」
「会談の後半にペンス次期副大統領が参加した」
 これらの情報はすべて間違っている。約90分の会談の間、安倍とトランプは、日米関係の現在と将来について、極めて実質的な意見交換を行った。

昨年12月の安倍・トランプ会談の直後、様々な情報が飛び交った。

しかし、そのほとんどが憶測の域を出ていない記事であった。

なかには明らかに悪意のこもったものもあった。

そもそも会談を行った当事者二人がその内容について固く口を閉ざしているのだから、正確な記事が書けるわけがない。

そんな中、著者の記事は安倍首相から直接聞いた情報である。

きわめて信ぴょう性が高い。

本書を読んでみて感じたのは、安倍首相の周りで様々な勢力が駆け引きを行っているということ。

まさに「暗闘」のタイトルに象徴されるような世界が繰り広げられているということである。

今年、安倍首相は内外の敵にどのように対してゆくのであろうか。

安倍首相はさまざまなリスクを承知で、日米、日露、日韓間の、これまでの政権が避けて通ってきた戦後の外交上の大きな課題に正面から取り組む姿勢を見せている。

どの問題にも、「兵器を使わない戦争」を仕掛けている中国の影がちらつく。

また、それは同時に、安倍首相本来の支持層である保守層からの批判という内政的リスクを伴っている。

2016年は、これまでの「ポスト冷戦」とでもいうべき社会秩序に大きな変化を与える事象が相次いだ。

英国のEU離脱の国民投票も、トランプ大統領誕生と同じく、地方の白人貧困層の反乱といわれた。

そして排外主義、超保守主義、ポピュリズムといった言葉が潮流を読み解くキーワードとして飛び交う。

英米の他にも、国益を前面に出す強いリーダーが世界には多く生まれている。

ロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相、トルコのエルドアン大統領、フィリピンのドゥテルテ大統領と、枚挙にいとまはない。

そして今年は欧州でもドイツ、フランス、オランダなどで重要な選挙が予定されているが、いずれの国でもナショナリスト勢力の拡大傾向が伝えられている。

今年は歴史上かつてないような激動の年になるのではないだろうか。

しっかりと見ていきたい。

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