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2017年2月23日 (木)

必笑小咄のテクニック/米原万里

Photo まず男はあわてることなく優しい手つきでスカートを下ろした。それからゆっくりとブラウスをはいだ。次にブラジャーのホックを外して引っ張ると、ブラジャーはそのまま男の足下にはらりと落ちた。それから男は一気にパンティーを引きずり下ろした。
 今や男の目の前には、むき出しの……洗濯ロープがあった。

本書は古今東西の、巷にゴマンと溢れる小咄を分類し、腑分けして、その仕組みを明らかにしたもの。

その過程で以前から何となく感じていたことを再確認することになったという。

それは、すべての傑作小咄のやり口が、詐欺の手口にソックリだということ。

もともと詐欺行為は、人間の欲や常識や権威にのっとった思考習慣の裏をかく犯罪だから、その手口は意表を突いているのは当たり前。

それを話しただけでそのまま小咄になる。

要するに、聞き手や読み手の常識や知識がそのまま、意表を突くために不可欠な文脈の役割を果たしていることになる。

この場合、小咄の外ですでに文脈ができていて、小咄そのものは意表を突く部分つまりオチだけで成り立つ、というのである。

ナルホドと思わされた。

確かにすべての小咄はこのパターンで構成されている。

そう考えると、詐欺師はみな優れた小咄作者になる素質を持っているかもしれない。

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