小さな会社の経営革新、7つの成功法則/久保田章市
私は、ここ何年か長寿企業の研究をしています。その結果、分かったことは、長く継続している企業では、「伝統を継承しつつ、革新に取り組む」経営が行われていたことです。
帝国データバンクの調査によると、創業後5年目に生存している企業は創業時の82%、10年目が70%、15年目が61%、そして20年目が52%。
つまり、企業は、創業して20年経つと、その数は半分になっているということ。
この調査で分かったことは、「企業の半分は寿命が20年以下」ということ。
そして創業100年以上の長寿企業は、約5万社あるという。
長寿企業の秘訣は「伝統を継承しつつ、革新に取り組む」経営。
相反するものを同時に取り組むことにポイントがある。
経営革新が不可欠な理由は、時代とともに市場や顧客が変わり、技術が進歩するからである。
そして、経営革新に取り組むのは後継者の場合が多い。
私自身、経営革新のワンパーツである人事制度改革を依頼されることが多いのだが、依頼してくる経営者のほとんどが二代目、三代目である。
ただ、その場合、多くの壁が立ちはだかる。
後継者は、企業の将来を考えて経営革新に取り組もうとするが、周りの人々は、実はそういう意識を持っていないのが普通である。
人は、本来的には変わりたくないもの。
仕事も、これまでと同じやり方でしたいと思っている。
それに、経営革新には、未知の部分があり、不安もある。
ひょっとしたら、自分や家族の生活が大きく変わるかも知れないという心配もある。
だから従業員の抵抗があるのは、むしろ、当然だと言える。
さらに自分の実父である元社長が頑なに反対することもある。
わたしもそれに巻き込まれたこともあるのだが、革新を成功させる原動力は本書に書いてある「危機感」と「意地」だと思う。
企業を存続させようとするなら、経営革新は避けて通れない。
いま、多くの中小企業がそのような局面に立たされているのではないだろうか。
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