群れない生き方/桜井章一
人はよく、〝自分探しの旅〟に行くなどと言ったりするが、旅に出てもそこに土壇場がなければ本当の自分など見つかるわけがない。
人は一人では生きていけない。
だから孤独を恐れる。
孤独を恐れる人の根本にあるのは、群れからはぐれ、ひとりぼっちになってしまうという不安である。
だから「嫌われたくない」とか「変なヤツと思われたくない」という気持ちが強くなり、まわりの人たちの顔色ばかりをうかがって生きるようになる。
いつの間にか自分が自分でなくなってしまう。
これが「群れる」という現象である。
では、群れずに等身大の自分で生きていくにはどうしたらいいのか。
「自分に素直になる」ことである。
自分から素直という匂いを発散していけば、自分も気持ちいいし、その匂いを嗅ぎつけていい仲間も集まってくる。
当然、意味もなく群れることもなくなる。
ところが「自分に素直になる」ことは難しい。
そもそも「自分」というものがどんな存在なのか、それが分かっていない。
ほんとうの自分、等身大の自分とはいったい何なのか?
それが分からなくなり、ある人は「自分探しの旅」に出かける。
旅に出かけ、未知の地を訪れ、いろんな人と出会いうことによって、自分を探そうとする。
しかし、それで自分を探し当てたという話はあまり聞いたことがない。
では、自分を知るためにはどんなアプローチが有効なのか。
それは困難に直面した時の自分の反応を知ることである。
人はプレッシャーを受けたとき、隠れていた内なる自分が表面に出てくる。
その出てきた部分が本当の自分である。
人生ではいろんな試練に直面する。
それに逃げずに挑み続ける。
これが自分を知る一番の近道ではないだろうか。
そして、これは「群れる」とは正反対の生き方である。
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