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2017年2月 7日 (火)

トランプ大統領の衝撃/冷泉彰

Photo トランプの暴言・放言は、「文字通り」受け止めるべきものではなかった。あくまで「現状への不満」という感情を表現する「比喩」に過ぎなかったのである。

いま、書店に行けばトランプ関連本であふれている。

本書もその中の一つである。

いま、日本中、いや世界中の人々がその言動に振り回されている。

連発される大統領令、「指先介入」とも呼ばれているツイッターでの過激な発言、

これまでの歴代の大統領とは全く違う。

「この過激な発言は選挙用で、大統領になれば変わる」という論者も多くいたが、いまのところその兆候はない。

問題は、これをどう受け止めるのかということ。

一つ言えることは、トランプ大統領の暴言は、暴言による中傷や迫害によって対象を傷つけ、発言者が加虐的な喜びを得るためのものではない。

「政治的正しさ」を掲げ「知性と名誉と富」を独占してきたオバマ的なるもの、ヒラリー的なるものへの激しい抵抗の表現と理解すべきである。

また、これまでの政治的な手法が通用しないほど、今の世界は混迷を極めている、ということである。

少なくとも、トランプ大統領の発言は、これまでの既成の価値観や枠組みに、「本当にそれでよいのか」という疑問を投げかける。

考えるきっかけを与えてくれる。

それがプラスの面として働ければ、トランプ大統領の登場は、それはそれで良いことだったと評価できる。

でも、ドナルド・J・トランプという人物は、果たしてそのような指導者になれるのだろうか。

1980年、今から36年前に、同じように「俳優出身のタカ派に何ができる?」という疑問の声に囲まれつつ就任した大統領がいた。

ロナルド・レーガンである。

彼は、有能なブレーンを見事に活かして政権を成功させた。

今でもアメリカ国民にアンケートを取ると、歴代の偉大な大統領の一人として挙がってくる。

トランプ大統領はそのようになれるのだろうか?

いまのところ、ブレーンは優秀な人たちが名を連ねている。

もし、その有能なブレーンに仕事を任せることができれば、その可能性は出てくるかもしれない。

今はそれは分からない。

ただ、その可能性はあるということは言えるのではないだろうか。

政治は結果責任である。

オバマ前大統領は、その言葉は耳障りのよいものだった。

しかし、「アメリカはもはや世界の警察官ではない」との発言は世界を混乱に陥れた。

ISの勢力拡大のきっかけを作ったともいわれている。

世界中がテロの脅威にさらされている。

そして登場したのが、それとは真逆のキャラの大統領である。

これから、世界はどう変わってゆくのだろうか?

目が離せない。

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