DREAM WORKPLACE/ロブ・ゴーフィー、ガレス・ジョーンズ
自分らしくあることを奨励する組織は、社員の創造性や革新性、生産性を高める努力を積極的に行う。
自分らしくあること、これを主張するとある組織ではわがままと受け止められる。
特に日本の企業では個性を殺し、組織の一員として働くことを求められることが多い。
しかし、そのような組織から生み出される商品やサービスは画一化された面白味のないものになってしまうことが多い。
また、働くものの満足度もどうしても低くなる。
これはひいては生産性の低下を招く。
本書では、自分らしくあることを奨励する組織には次のようなメリットがあると記されている
第一に、組織内で自己表現や自分らしくあることが可能になればなるほど、仕事に対する取り組みとコミットメントが高まる。
例えば、イタリア、トスカーナの小さな町のそれぞれのお店で、店員たちは役割に期待される以上のことをしていたことが紹介されていた。
「自ら進んで」仕事や役割にやる気を燃やす。
「本物の」組織で自然発生するのが、このような種類の行動だ。
第二に、個人の違いを表明できるまさにその能力が、社員の創造性を高める。
それにより、職場において明らかなメリットが、とりわけ革新性と生産性が促される。
逆に、人と同じであることが推奨され、個性が抑えつけられると、創造性は低下する。
第三に、個人が新たな異なる経験を求め、もっと自分らしくあり、そのために必要なスキルを得ることを奨励する組織は、リーダーシップの質を高める。
以上の三つである。
つまり、組織が果たすべきなのは、自由の度合いを最大にすることと、不必要な制約を完全になくすことである。
これはリーダーだけの仕事ではなく、組織全体のひとりひとりの仕事でもある。
今、日本人がこれまでよしとしてきた働き方に疑問符がつけられることが多くなってきている。
どんな働き方が個人にとっても組織にとっても価値をもたらすのか。
もしかしたら、これまでNOと言われていた働き方にその答えがあるのかもしれない。
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