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2017年4月29日 (土)

知性を磨く/田坂広志

Photo 実は、「知性」と呼ばれる能力の核心は、「経験」を通じてしか身につかない、人間としての極めて高度な能力なのである。

学歴は一流。

偏差値の高い有名大学の卒業。

頭脳明晰で、論理思考に優れている。

頭の回転は速く、弁も立つ。

データにも強く、本もよく読む。

プレゼンをさせれば弁舌爽やか。

しかし、残念ながら、思考に、深みが無い。

そのため、接していて、違和感を感じる。

こんな人がいる。

この違和感の正体とは何だろうか、と思うことがある。

私はこれこそ、経験に裏打ちされた心の声だと思っている。

著者は「知能」と「知性」を明確に区別している。

「知能」とは、「答えの有る問い」に対して、早く正しい答えを見出す能力。

「知性」とは、「答えの無い問い」に対して、その問いを、問い続ける能力。

ナルホド、これが違和感の正体だったのかもしれない。

確かに、人生でも仕事でも、直面する多くの問題は「答えの無い問い」である。

それをわかったように理路整然と説明されると違和感を感じるのである。

一人の人間が生涯を賭けて問うても、その答えを得ることができない問い。

人類がこれから百年の歳月を賭けて問うても、容易に答えの得られぬ問い。

そうした問いを問い続ける力が、「知性」と呼ばれるものであろう。

人間は、歳を重ねると、肉体だけでなく、精神もエネルギーが衰えていく。

私たちは、意識と無意識の境界で、このような「固定観念」を抱いている。

しかし、実は、それは、「思い込み」と呼ぶべき「固定観念」にすぎない。

実は、人間の精神は、歳を重ねるにつれ、しなやかさや、軽やかさを増していく。

確かに年齢を重ねるにつれ、日々が充実してきたという実感がある。

そして、これからの人生が知性を磨く本当の旅だと言えるのかもしれない。

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