PDCAプロフェッショナル/稲田将人
「私は、どこの会社でも経営できます。それは私がPDCAを廻せるからです」
かつて「小泉純一郎のシティフォーラム」と題して2002年に開催されたタウンミーティングにおける、トヨタ自動車の奥田碩会長(当時)の最初の言葉です。
ビジネスマンであればだれもが知っているPDCA
仕事の基本ともいえる。
しかし、これを本当に廻している人はほとんどいない。
逆に言えば、これをキチンと廻せば、他者(他社)と差別化できるということである。
そして、その実例として本書ではトヨタとマッキンゼーが取り上げられている。
仕事ができるとされている人は、単に高学歴であるとか、IQが高いという人ではない。
未開拓な分野の仕事や、みなが避けたがるような修羅場ともいえる状態に、他の誰よりも数多く直面した経験、あるいは挑戦した経験をもっている。
つまり数多くの「計画」(P)と「実行」(D)をこなしている。
そしてそのような人は誰よりも多く失敗した人でもある。
でも、ただ失敗を重ねただけでは仕事のできる人になることはできない。
失敗から何を学ぶかが重要である。
仕事における学習とは、自らの経験を、汎用性をもたせて精度高く法則化することである。
失敗を経験則にする行為、それがPDCAの(C)と(A)の部分である。
たとえ失敗したとしても、「結果の検証」(C)を行なっているかぎり、場数を踏むたびに経験則が蓄積されていく。
そして「改善」や「進化」や「改革」(A)を行う。
PDCAの(A)は、方法論、やり方、考え方そのものを、PDCAを廻すたびに、さらに「進化」させることを意味する。
これを確実に廻すことが企業や個人の成長につながる。
これはいわば当たり前のことと言えよう。
« 上に行く人が早くから徹底している仕事の習慣/中尾ゆうすけ | トップページ | NYの人気セラピストが教える 自分で心を手当てする方法/ガイ・ウィンチ »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
« 上に行く人が早くから徹底している仕事の習慣/中尾ゆうすけ | トップページ | NYの人気セラピストが教える 自分で心を手当てする方法/ガイ・ウィンチ »
コメント