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2017年4月10日 (月)

ドキュメント 銀行/前田裕之

Photo 筆者はこれまで数多くの銀行の経営者や銀行員に接してきたが、銀行員のやりがい、使命、職業倫理といった話題になると、貸出業務を軸とした法人取引での経験を挙げる人が圧倒的に多い。「よちよち歩きの零細企業が銀行からの借入金をうまく活用して一人前に育った」、「経営難に陥った企業を支えて再建した」、「経営者と一緒になって新たな事業展開を考え、成功した」、「銀行が預金流出に苦しんでいた時に中小企業の経営者が大口預金を契約してくれた」……。こうした話をする時の銀行員は目を輝かせ、生き生きとしている。

本書はバブル崩壊後から現在までの銀行の歴史が記されている。

そもそも銀行業の中心は、預金を集め、その資金を元手に企業や個人に貸し出しを実行し、利益を上げる預金・貸出業務である。

これは法律にはっきり書かれている。

そして融資ほどおいしい商売はない。

貸出金利と預金金利の利ざやが決まっていれば、土日に銀行が休んでいても安定した金利収入が入ってくるのだから。

通常のビジネスなら営業を休めば、売り上げや利益の減少に直結する。

銀行業という特殊なビジネスだからこそ、休んでいても、もうけが出る。

しかし、現在の銀行の収益は多様化している。

預金で集めた資金を貸し出しや有価証券を運用して得られる「資金利益」、

外国為替手数料、投資信託や保険の販売手数料などからなる「役務取引等利益」、

デリバティブ(金融派生商品)取引などによる「特定取引利益」、

外国為替売買や国債等債券売買益などの「その他業務利益」、からなる。

しかし、手を広げすぎた結果、経営危機に陥った銀行も数多くある。

銀行の20年史を振り返って改めて感じたことは、経済環境がどれほど変化しようとも、銀行業のコアはやはり貸出業務しかないということである。

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