有名企業からの脱出/冨山和彦
私は、政治家に限らず、人には〝与党型〟と〝野党型〟がいると思っています。〝野党型〟の典型例は、すぐに誰かや何かの責任にしようとする。夢見がちなユートピアばかり語る。与党はそれではやっていけないのです。
今の国会を見ていると、「野党って本当にどうしよもないな」と思ってしまう。
くだらない森友問題ばかりを取り上げ、揚げ足取りを繰り返す。
ただ、もともと日本人そのものが、本質的に野党的である。
「お上」と一般人という関係性を長く続けてきたのが日本。
自らが国のオーナーという意識は高くない。
こうしたなか、少数の与党型リーダー人材が率いてきたのが、日本の歴史だった。
他方、最もタチの悪い動きをしていたのが、何でもかんでも白黒はっきりつけようと言い張る野党型で声の大きい連中である。
もとより白黒つけろ、なんて言っていられるのは、野党だから。
最終的にギリギリのところで妥協点を見出すのが、与党的なリアリズムである。
テレビで好き放題言っている評論家なども、典型的なタチの悪い野党である。
会社でも、爽やかな弁舌で出世を遂げる〝白黒〟野党タイプの人がいる。
やたら声だけは大きく、役員会でも正しいことを言い張る。
しかし、与党的なリアリティのもとでは、不都合な真実も受け入れないといけない。
だから、いざ本当の勝負どころとなると、このタイプは真っ先に逃げ出す。
与党になって返り血を浴びる覚悟はないのである。
自分は与党型なのだろうか、野党型なのだろうか?
どんなに批判にさらされようが、自分は与党でありたい。
間違っても、民主党政権の最初のふたりの総理のようにはなりたくないものである。
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