がんばりすぎるあなたへ/ジェフ・シマンスキー
うまくいっているときは、完璧主義はハイレベルな、それでいて無理のない目標を達成する原動力となり、満足感と自尊心の向上をもたらします。それが健全な完璧主義です。いっぽう不健全な完璧主義は、どう考えても無理な期待に応えようと自分を追い込みます。根もとにあるのは失敗への恐怖や、他人を失望させたくないという思いだったりします。
完璧主義の人がいる。
自己と他者に厳しく、何でも完璧にやらないと気が済まない。
完璧主義が全て悪いわけではなく、それが健全な完璧主義なのか、不健全な完璧主義であるかが問題である。
健全な完璧主義を発揮しているうちは、人間はポジティブな面に集中して、成功を求めて努力できる。
しかし不健全な場合は、意識はネガティブな面に向く。
ミスを恐れ、うまくいかないことにとらわれ、批判やネガティブなフィードバックを避けるためだけに時間とエネルギーを使う。
健全な完璧主義者は、苦労せずに問題を解決することができる。
いっぺんに複数の作業をこなして、何をいつまでに終わらせなければいけないのか優先順位をつけるという能力があるからである。
不健全な完璧主義者はすべての作業が同じくらい重要だと思い込むせいで、優先順位をつけるのに苦労する。
つねに100%の力を出さなければならず、同じレベルの綿密さやエネルギー、注意深さを要求されていると受け取る。
そのため、時間的に余裕がなくなり、結局、精神的に追い込まれる。
完璧主義の人は「完璧でないと自分は存在できない」という根源的な恐れをもっている。
それが完璧であることへの囚われとなる。
完璧主義の人はまずそのような内面に目を向け、それを受け入れ、その囚われを手放すことが必要である。
問題は完璧主義が不健全な形で働くことが悪いのであって、完璧主義が全て悪いわけではないのだから。
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