組織を変える「仕掛け」/高間邦男
もし組織が機械なら、すべての部品がきちんと動くことが求められます。しかし、生命体である組織は、そうは動きません。
かつて、高度成長時代の組織は機械のイメージである。
この時代は、限られた人・モノ・金・時間で、より大きな結果を生み出すことを探求し続けた。
それを実現するには、作業をミスなく速く行うことが大切で、それには、短時間で限られた技術の習熟が可能な分業がよしとされた。
また、ムラがなく、均質なことが、価値のあることとされた。
そのため、トップダウン型の「俺についてこい」的なマネジメントやリーダーシップが求められた。
それは進むべき方向性が明確だったからである。
しかし、今は正解のない時代である。
昔のようなトップダウン型のマネジメントやリーダーシップは通用しない。
組織のあり方も変わってきている。
今組織に求められていることは生命体であること。
生命体は日々代謝し続ける。
そして、その主体者は明確ではない。
また、生命体は環境変化に適応するために、新たな安定した秩序を形成するように進化していく。
生命体である組織は、人々の協力や相互作用などで活動を行う。
かつて人は命令で動いたがが、いまは命令されるとやる気を失いがちである。
今日のように正解が見えない時代は、多くの場合、命令通りにやってもうまくいかない。
そして、ますますやる気を失わせてしまう。
そこで、組織のメンバーが、主体的に目標ややり方を考えるように仕向けることが、重要な課題になってくる。
今の時代、組織のあり方を根本から変える時期に来ているといえるのではないだろうか。
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