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2017年5月12日 (金)

新・所得倍増論/デービッド・アトキンソン

Photo 人口が増えない中で経済成長するには、生産性向上しかありません。生産性向上とは、言うまでもなく、日本の労働者全員の仕事のやり方、各業界のあり方、人の配分などを、根本から変えることです。

日本は先進国でもっとも生産性が低く、もっとも貧困率が高い。

日本は1990年、世界第10位の生産性を誇っていたが、今では先進国最下位。

労働者ベースで見てもスペインやイタリアより低く、全人口ベースでは世界第27位。

1990年には韓国の2.4倍も高かった生産性が、今は1.04倍まで低下している。

このまま何も手を打たなければ、あと2~3年で韓国に抜かれて、アジア第4位の生活水準にまで低下する。

日本型資本主義は1977年以降、基本的には人口激増による人口ボーナスの恩恵を受けながら伸びてきた経済モデルだった。

さまざまな世界ランキングで日本は上位に位置することが多いが、これは1億人を超える人口によるもの。

高度成長期、GDPで世界第2位の座についたのは、当時の先進国の中で、日本より人口の多い国はアメリカだけしかなかったから。

日本は総額で見ればたしかに「ものづくり大国」だが、それは人口が多いから。

日本の「ものづくり」の総額がドイツより少し多いくらいというのも、人口差を考えると、日本の潜在能力にふさわしい「大国」を名乗れるような実績ではないことは明らか。

やはり「生産性」で見るか「総額」で見るかによって、日本の評価にはかなりの差が出るという事実を認めないといけない。

まずは日本の生産性の低さを認める事、そして対策を立てる事。

これが大事。

生産性を上げるのは、労働者ではなく経営者の責任である。

世界一有能な労働者から先進国最低の生産性しか発揮させていないという日本の経営の現状は、いかに現行の日本型資本主義が破綻しているかを意味している。

日本のサービス業は、ITの導入に際して、組織のあり方や仕事のやり方、人材などにそれほど大きな変更は加えてこなかった。

これが、日本のサービス業の生産性が低い最大の理由のひとつだと考えられる。

IT投資の効果を引き出すには、企業が組織のあり方、仕事のやり方を変更し、人材その他にも投資する必要がある。

女性の活用も課題だ。

日本社会の中で、女性に任されている仕事が、そもそも付加価値が低いものが多い。

これを変えるべきだろう。

これから日本は人口減少社会へと突入する。

でも、これは、日本人の働き方を見直すよい機会ではないだろうか。

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