世界のエリートはなぜ哲学を学ぶのか?/福原正大
Who are you?(あなたは何者?)
これは米ハーバードなど、世界的トップスクールの試験によく出される定番の問題です。
みなさんは、この「正解のない問題」にどう答えるでしょうか?
著者が日本と海外の企業で働いたことで、強く感じた違いがあったという。
それは哲学的思考法が身についているかいないかということ。
本書でいう哲学とは、学問のジャンルとしての意味を含んではいるが、より視野を広げて「正解のない問題について考える」という「哲学的思考法」のこと。
これが日本人には決定的に欠けている。
一つの原因は教育にある。
唯一絶対の正解があることを大前提とする「知識の暗記勝負」となっているのが日本の教育。
これは、正解のない中、自分の考え方で勝負するグローバルな国際社会では通用しない。
日本では「知識の暗記勝負」で勝ち残ったエリートが官僚や政治家になり、国を動かす。
ところが、今は「先の見えない時代」であり、かつ、「正解のない時代」である。
著者の言うように、こんな時代であるからこそ、物事の本質から考える哲学的思考が必要になってくるのかもしれない。
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