芸人式新聞の読み方/プチ鹿島
同じできごとでも新聞によって素晴らしく扱い方が分かれるのだ。これを偏向と言う前に、どちらも読んで、お互いに見えている世界がどれだけ違うのかを興味深く眺めたほうがおもしろい。
本書では、一つの出来事をそれぞれの新聞がどのように報じているのか、比較している。
著者は各新聞を次のように表現しているが、よく特徴をとらえている。
『朝日新聞』は〝高級な背広を着たプライド高めのおじさん〟
『産経新聞』は〝いつも小言を言ってる和服のおじさん〟
『毎日新聞』は〝書生肌のおじさん〟
『東京新聞』は〝問題意識が高い下町のおじさん〟
『日本経済新聞』は〝現実主義のビジネス一筋おじさん〟
『読売新聞』はずばり〝ナベツネ〟
と、まあ、こんなところだ。
我が家では、毎日、産経、日経をとっているのだが、今回のテロ等準備罪でも、毎日と産経では正反対の論じ方をしている。
毎日が「強行採決」と報じると、産経は野党を批判する。
でも、これはある意味、健全だと思う。
むしろ問題なのは、新聞を1紙しかとっていない人である。
どうしても考え方が偏ってしまうのではないだろうか。
そしてテレビメディアもアブナイ。
今回のテロ等準備罪もすべてのテレビ局が反対の立場をとっていた。
物事には多様な見方があって当たり前。
それが同じ意見、主張になるのは気持ち悪い。
その意味では、新聞はまだ健全といえるのではないだろうか。
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