開成高校野球部の「弱くても勝つ」方法/山岡淳一郎
「投げる技術、打つ技術の最低ラインはクリアしよう」などと鷹揚に構えていたら、あっという間に三年がすぎる。それではいつまで経っても勝てない。
そこで求められるのが「戦略」である。
東大進学率№1の開成高等学校。
しかし、野球部は打てない、守れない選手ばかり。
それもそのはず、開成野球部は、グラウンドでの全体練習は週一回と決められている。
しかも夏場は4時間ぐらいできるときもあるが、日の短い冬場は一時間半ほどで切り上げねばならない。
ところがその弱小野球部が2005年、都の大会で甲子園出場校に1点差に迫るところまでいった。
その秘訣はどこにあるのか。
それは戦略にある。
戦略を先につくり、限られた範囲で反復練習をする。
週一の練習は、守備より打撃重視。
守備は難しい球を補る練習はしない。
それより、とって当たり前の球を確実に捕れるような練習をする。
後は打撃練習に集中する。
打撃練習はバントやスクイズはほとんどしない。
フォームも気にしない。
監督は、
「ドサクサまぎれに勝つ」
「盗塁は足の速さよりも準備」
「チームづくりはえこひいきから」など、
ユニークは戦略を次々に編み出す。
だから、試合はコールド勝ちかコールド負け。
まさに弱者の戦略である。
でも、これ、「ヒト」「モノ」「カネ」全てが不足している中小企業に共通することではないだろうか。
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