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2017年7月29日 (土)

ものすごい言葉/多根清史

Photo  大統領や総理大臣の代わりはいるだろうが、俺の代わりはいないんだ。
 勝新太郎

確かにカツシンの代わりはどこにもいない。

座頭市シリーズを自ら制作し主演。

目の見えない身でありながら凄腕の剣を振るう座頭市に、身震いのする演技力で命を吹き込んだ。

「勝新太郎の座頭市」は地上でたった一人だけだ。

輝かしい経歴ばかりではない。

晩年のカツシンがテレビに出るときは、ほぼスキャンダルとセットだったと言っていい。

撮影中に長男による不慮の事故を招いたり、下着の中に大麻を隠し持っていて逮捕された一幕もあった。

記者会見での「もうパンツははかないようにする」というコメントは、ちょっとした流行語にもなった。

黒澤明監督の「影武者」の主役に選ばれながら、撮影途中で降板。

両者とも個性が強すぎたのだろう。

そびえ立つ業績や人間的な情けなさ、そうした偉大なものや矛盾をひっくるめて一つの人格であり、他に替えが利かないオンリーワンなのである。

裁判の場に引き出されたカツシンは、傍聴者を「観客」とみなし、いかに楽しませるか台本まで考えていたという。

バカ役者ではなく、寝ても覚めてもエンターテインメントを考える役者バカ。

これと決めたことを徹底して突き抜けた者だけが「俺の代わりはいない」と胸を張れるのであろう。

「ものすごい言葉」には覚悟がある。

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