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2017年8月 5日 (土)

心を動かす!「伝える」技術/荒井好一

Photo 彼女が何を話したのか内容はほとんど覚えていないのに、あのビジュアルハンド(目に見せる手)だけは明確に、映像として頭に残っています。

五輪招致のために7人のプレゼンターが立った、あの時の映像は今もはっきりと頭に残っている。

何をしゃべったかというより、どのような表情やジェスチャーで話したかということが記憶として残っている。

そして、7人のプレゼンターによって、2020年の東京五輪が決まったといってもよいだろう。

中でも滝川クリステル氏のプレゼンは強く印象に残っている。

滝川氏は「お・も・て・な・し」を視覚的に訴えて見せた。

左手を顔の右前に持ってきて柔らかく結んだ指の塊で、一語一語丁寧に花の蕾をそっと置くように順に示していった。

いうならば、音と中黒の間隔を視覚化していった。

気持ちをこめて発音していき、結んだ手の動きにリズムを感じさせ、ぱっと最後に蕾が花開くように華やかなものを見せた。

そして、余韻をおかずにすかさず、合掌とお辞儀が組み合わさった。

長いきれいな白い手が合わされて、相手を敬うように感謝を表すように頭を静かに下げまた。

こうした魔法のような一連のアクションで、キーワードの提示の仕方を、ビジュアルハンドで映像にしてみせた。

どうして、このように効果的な演出が決まったのか。

理性的なアプローチは当然必要だが、それだけでは人の心を動かすことはできない。

合理的な選択肢が示されたとしても、合理性だけでは人の共感は湧き起こらないからである。

簡単に説得されることをよしとしない心理を、人は心の奥底に備えているからである。

人はもっと温度のある、心地よい関わり方を本能的に欲している。

好き嫌いの感覚や、センスのあるなしを相手は無意識に受け止めている。

だからこそあの「お・も・て・な・し」は効果的だったのだろう。

もちろん何度も何度も練習したのだろう。

伝えることも一つの技術だということが言えよう。

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