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2017年9月21日 (木)

すべての疲労は脳が原因/梶本修身

Photo「過労死するのは人間だけ」という事実をご存じでしょうか。

考えてみたら確かにそうである。

過労死した犬や猫は見たことがない。

競走馬であっても、過労死することは考えられない。

ではなぜ、人間だけ過労死するのか?

実は、人は実際には疲労を起こしていても、それを感じるのは脳であるため、脳の複雑な働きによって疲労感を覚えないことがある。

物理的な疲労の程度と、主観的な疲労感は一致しないことが多々ある。

そこで問題になるのは、疲労感が生体アラームとして効かなくなり、疲れが積み重なっているにもかかわらずそれを感じなくなること。

これは、人体にとってもっとも危険な状況。

では、なぜ人は疲労感という生体アラームが効かなくなるのか。

それは、ほかの動物にはみられないほどに発達した前頭葉が原因。

前頭葉は、「意欲や達成感の中枢」と呼ばれ、人間の進化にも大きく貢献してきた。

ただ、ヒトではあまりにも前頭葉が大きくなったために、眼窩前頭野で発した疲労感というアラームを意欲や達成感で簡単に隠してしまうことがある。

専門化はこの現象を「疲労感のマスキング」と呼んでいる。

一方、前頭葉が小さいほかの動物、たとえばライオンは獲物を追いかけるとき、どれだけ空腹であっても疲労感を眼窩前頭野で自覚したらアラームに従って追いかけるのをやめる。

前頭葉が発達していないヒト以外の動物では、意欲や達成感より疲労感というアラームを優先して行動する。

それゆえ、ヒト以外の動物では過労死することはないというわけだ。

日ごろから仕事にやりがいや達成感がある、あるいは上司や同僚からの賞賛、昇進といった報酬が期待できて楽しく仕事しているときほど過労死のリスクが高いという。

楽しく仕事しているときほど「疲労感なき疲労」が蓄積されやすく、休まずに仕事を続けることで疲労は脳と体を確実に蝕み、果てには過労死にいたらしめる、ということは自覚しておくべきだろう。

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