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2017年9月20日 (水)

ザ・マネージャー/マイク・カーソン

Photo アンチェロッティは全く違う道を選んだ。彼はチームの中へ積極的に入り込んだ。そして時間を割いて選手一人ひとりの人間性を把握していった。単にプロ選手としてでなく、一人の人間として理解しようとした。

サッカーの監督ができるなら、ビジネスは簡単だ。

現代スポーツにおいて、予算が大きいほど有利なのは誰にでもわかる。

しかし、サッカーの場合は予算が多いからといって先発を15人にするわけにはいかない。

どんなにすごい選手が揃っていても、先発11人の枠は絶対であり、揺らぐことはない。

そして、先発から外された選手は不満分子となり、チームが空中分解する火種になるかもしれない。

少年時代から天才ともてはやされ、プロに上り詰めた選手たちの「我」が弱いはずはない。

いってみれば、サッカー監督とは「じゃじゃ馬ならし」にほかならない。

サッカーの監督は空理空論をこね回す時間はない。

就任して、2・3カ月で成果が出なければすぐに解任である。

2カ月で成果を出そうとするのであれば、1カ月以内にクラブをいい方向にもっていかねばならない。

これほど即効性を求められ、不安定な職業はほかにない。

そんな過酷な職業で結果を出してきた監督の一人がカルロ・アンチェロッティである。

アンチェロッティの哲学はシンプルだ。

一人ひとりの選手を理解しよう、ということである。

選手には二種類ある。

自分が持っているものをチームに提供し、チームが強くなるように努めるタイプと、チームを利用して、自分が目立つことだけを考えるタイプだ。

二番目のタイプに出会ったときに死活的に重要なのがコミュニケーション技術で、相手に間違った道に進んでいることを納得させることが必要になる。

アンチェロッティは各選手を一人の個人として扱う。

彼らのやり方を尊重する。

選手の感情や価値観、野心、ニーズ、恐怖などに感情移入する。

選手の立場が理解できれば、さらに生産的に選手と付き合うことができる。

こうして監督は個人およびチーム全体の改革に乗り出すことができるようになる。

ほとんどの場合リーダーシップとは個人を相手として始まる。

リーダーはついてくる人がいてこそリーダーなのであり、ついてくる人はほとんどの場合個人的な関係から感化されてリーダーについていくようになる。

ビジネス・政界・スポーツを問わず、一番の難題が人間関係だということではないだろうか。

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