部下を育てる「ものの言い方」/井上健一郎
「イイ上司」は、とにかく部下を「やる気」にさせる上司です。やる気を削ぐ発言はしない上に、決して安易に褒めるのではなく、部下ひとりひとりの存在価値を伝えてあげられる。まず、それができる人です。
部下をやる気にさせるのがイイ上司だという。
だったら、そのためにはどうすれば良いのか。
面白い仕事ばかりやらせればよいのだろうが、そうそう面白い仕事があるものではない。
むしろ、単調な面白くない仕事が多いのが現実である。
ではどうすればよいのか。
面白くない仕事を面白くすることである。
どんな仕事でも工夫次第では面白くなる。
また、仕事の目的をはっきり認識することも大事だ。
同じ仕事をするにしても、「何のために」この仕事をするのか、
この仕事は会社の中でどんな役割を果たしているのか、
会社は社会の中でどんな役割を果たしているのか、
ということを認識しているかどうかで仕事のレベルが変わる。
また、そのことに気づかせるのが上司の役目である。
よいリードというのは、表面的な「やり方」だけを指示するのではない。
その仕事が「何のために」大切なのかということや、そのためには「どのくらい」までやらなければいけないかということを示すことである。
さらに問題が起きている時などは、「何で」その問題が起きたのかを考えさせる。
そして単なる問題処理ではなく「根っこ」から解決するためには「どうしたら」いいのかということを導き出すためにサポートする。
そうすると、部下は考えるようになる。
そこから仕事の本当の面白さが分かってくる。
知恵や工夫が生まれる。
そうするとレベルの高い仕事のできる人材が育っていく。
上司は、部下が何を考え、どんな強みと弱みを持っているか、業務のレベルはどの程度なのか、
それらのことをしっかり把握する必要がある。
その上で、「どこに向かえばいいのか」、いわゆる成長の方向性を感じさせる必要がある。
さらに、そこから今どのくらい離れたところにいるのか、はたして近いのか遠いのか?
そして、そこに行くためには具体的にどうすればいいのかがわかると、「やる気」は高まる。
部下のやる気は上司のリード次第といってもよいのではないだろうか。
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