「怒り」のマネジメント術/安藤俊介
「いつも」「絶対」「必ず」。これらの言葉を使いそうになったら、一度、グッとのみ込み、もっと別の言い方はないかを探る習慣を身につけましょう。
「怒り」のマネジメント術とは、「絶対に怒ってはいけません」という話ではない。
怒ってもいい。
ただ、その怒りにふりまわされて損することがないようコントロールしていこう、ということ。
それには二つある。
一つは、怒らなくてもいいことには、怒らない、または、「怒り」という感情を減らす。
第二に、怒るとしても、表現方法や場所を選ぶ、つまり、「怒り」にまかせた行動をやめる、である。
「怒り」の感情を感じるとき、私たちは次の三つの段階を踏む。
第1段階は、出来事との遭遇 。
第2段階は、出来事の意味づけ。
第3段階は、「怒り」の感情の発生、である。
何に怒りを感じるのかは十人十色。
私たちを怒らせているのは、第1段階の出来事そのものではない。
第2段階の「出来事の意味づけ」にかかっている。
だから「怒り」は外からやってくるものではない。
私たちを怒らせているのは、本当は「私自身」。
「私自身」が、それをどうとらえるか、である。
つまり、自分の周りに起こっている事象に対して、どのような意味付けをするかによって、怒るかどうかが決まる、ということ。
そして、人間だけが、自分の考え方・価値観をもとに「意味づけ」をして「怒り」を抱くのである。
その意味では、「いつも」「絶対」「必ず」、これらの自分の価値観に裏付けされた言葉を使いそうになったら、一度、グッとのみ込み、もっと別の言い方はないかを探る習慣を身につけることは効果的なのではないだろうか。
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