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2017年9月 4日 (月)

UXの時代/松島聡

Ux 所有より共有活用のほうが、なぜクールなのか?
 そこには人類が直面している大きな問題が隠れている。

UXとは、ユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略で、ユーザーが製品・サービスを通じて得られる体験を意味する。

今起きつつある変化で注目すべき点は、消費者・ユーザー自らが主権者として、製造・消費という経済活動の様式を変えようとしているということだ。

たとえばシェアリングという消費スタイルが広がってきている。

しかも、この消費スタイルはただ広がっているだけでなく、それが賢くお洒落な経済行動であるという認識も生まれてきている。

そこには重要な価値観の転換がある。

シェアリングは単なる流行ではなく、これからの経済社会に大きな影響を与える可能性がある。

今起きているユーザーの反乱は、彼らが企業の提供するものに価値をあまり認めなくなったことから生まれている。

これまでの企業はユーザーのニーズを把握して、そのニーズを満たす商品やサービスを提供してきたつもりでいるが、それはあくまで設備や組織といった企業のリソースの都合で生みだしてきた商品・サービスにすぎない。

これからの企業はそうした既存の枠組みから脱却し、ユーザーが何に感動するか、価値を得るか、つまりUXをいかに最大化するかを基準に、ビジネスモデルを再構築しなければならない。

そして、ユーザーはビジネスモデルの中心に位置づけられ、事業の推進者たちはUXを基準に企業や業界の垣根を超えて協力し、最適のリソースを活用しながらめざすUXを最大化させていく。

つまりこれから訪れるのは、「○○業」「△△屋」といった定義が当てはまらない企業の時代、業界・業種の垣根がない産業社会。

この変化は製造業だけでなく、あらゆる産業で起こりつつある。

いや、産業だけではなく、社会全体で生まれつつあると言ったほうがいい。

古い産業の枠組みが通用しないこれからの時代に、社会のニーズに応え、成長していくのは「何屋」でもない企業だ。

その中から社会を変えていく新しいパワーが生まれてくるだろう。

ユーザーにとってモノは手段であって目的ではない。

手段に対価を払うのは目的である価値を得るためであって、モノを買って所有するためではない。

モノの価値ではなく、UXつまり「ユーザーにとっての体験価値」を理解し、見極めることが、これからのビジネス創造では極めて重要。

このことを理解することから新しいビジネスが始まるのではないだろうか。

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