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2017年10月 1日 (日)

仕掛学/松村真宏

Photo オランダのスキポール空港のトイレには「ハエ」の的がついており、飛散が80%減少したと報告されている[Thaler and Sunstein 2008]。
 この事例がトイレに的をつけることの発端になったといわれている。

多くの人は望ましい行動をすでに知っている。

運動不足や塩分の多い食べ物が体に良くないことを知らない人はいない。

しかし運動しなくても塩分を摂取してもすぐに体に悪影響が出るわけではないので、頭では理解していても楽をしたいとか食べたいといった目先の欲求にはなかなか勝てない。

このとき「したほうが良い」と直接伝えても効果がないことは明らか。

そうではなく、「ついしたくなる」ように間接的に伝えて結果的に問題を解決することを狙うのが仕掛けによるアプローチになる。

無理やり行動を変えさせようとするのではなく、つい行動を変えたくなるように仕向けるのである。

たとえば、上記抜き書きの男子小便器のハエの的は、「つい狙いたくなる」という心理をうまく利用している。

的は飛散が最小になる場所に貼られているので、的を狙うことによって知らず知らずのうちにトイレを綺麗に使うことに貢献することになる。

「トイレは綺麗に使いましょう」という張り紙はよく見かけるけれど、それを見ても綺麗に使おうという気にはならない。

そんな張り紙をしなくても、さりげなく的のシールを貼るほうがずっと効果的なのである。 

人の行動を変えるには、そうしたくなるような「仕掛け」を作ること。

直感的に注意を引くためには、人が何に対して興味を抱くか。

そんな人間の心理に根差した仕掛けによるアプローチ。

重要な視点だと思う。

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