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2017年10月17日 (火)

他人を引きずりおろすのに必死な人/榎本博明

Photo 他人を引きずりおろすのに必死な人の手にかかると、人間関係が壊され、最悪の場合、人生を台無しにされる。恐ろしいのは、自分と仲が良くて、信頼を置いていた人が、ある日を境に突如として、豹変するケースだ。だから、人が信用できなくなる。

そもそも、なぜこれほど、他人を引きずりおろすのに必死な人が現れるのか。

ひと言で言うならば、それだけ現状に不満をもつ人が多いからだ。

頑張れば給料が上がり、生活が向上していくのを実感できる時代ではなくなった。

絶え間ない技術革新により、産業構造も人々のライフスタイルも目まぐるしく変わる。

先の読めない時代になった。

その上、国家財政も危うくなり、年金や社会福祉にも暗雲が立ちこめている。

だれもが将来への不安を抱えている。

それなのに、「一億総活躍」とか「みんなが輝く社会」などと言われるようになった。

多くの人は生活のために働いているのであって、自分が活躍するために働いているのではない。

だが「活躍」とか「輝く」とか自己愛を刺激する言葉が世の中に氾濫することにより、人々の心の中に不満が渦巻き、自分は「活躍」や「輝き」とは無縁で価値がないように思えてくる。

そこに込み上げてくるのが、他人を引きずりおろしたいという衝動だ。

他人を引きずりおろすのに必死な人たちの精神構造はいったいどうなっているのか。

認知的バランス理論からすれば、共通の敵がいると集団はまとまる。

国家が仮想敵を設定して国民の気持ちをひとつにまとめようとするのも、そうした原理に基づいている。

ママ友集団でも、悪者をつくることで一体感が醸し出されるということがある。

いわば、敵の敵は味方という心理だ。

テレビのワイドショーでもタレントや政治家のスキャンダルばかり取り上げられる。

タレントや政治家はある意味、社会で成功した人たちである。

そのような人たちを批判し引きずり降ろすことによって快感を覚える人たちが確かに存在する。

だから視聴率が取れる。

そうするとますますそのような話題ばかりを取り上げることになる。

日本の社会の特徴として、「みんな一緒」といった意識が強すぎることがあげられる。

いわば「日本的平等主義」である。

でもこんなことで一緒になってどうなるのだろう。

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