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2017年10月12日 (木)

人類の未来/吉成真由美

Photo トランプの最も確かな点は、彼が不確かだということです。予測不能だ。すべての事柄について、ありとあらゆる発言をしています。彼が一体何を意味して発言しているのか、まったくわからない。本人にもわからないのでしょう。だから、彼が一体何をするのか、まったくわからない状態です。

本書は人類の未来を、ノーム・チョムスキー、レイ・カーツワイル、マーティン・ウルフ、ビャルケ・インゲルス、フリーマン・ダイソンといった世界の知性に、インタビュー形式で問うたもの。

これだけの知の巨人の語っていることを聞いても、その予測は真っ二つに分かれる。

たとえば、2029年には人工知能が人類の知性を超え、2045年までにはシンギュラリティに到達して、人類はAIと融合することによって、ほぼ無機的な存在であるポスト・ヒューマンに進化していくのだとするカーツワイル氏。

それに対して、それは単なるおとぎ話だ、AIの知能は人類のそれとは本質的に異なるし、人間の脳はそう簡単にシミュレートできるものではないとするチョムスキー氏。

地球温暖化は人類存続に関わる大問題であり、人類がその行動を早急に見直す必要があるという主流派を支持するチョムスキー氏。

それに対して、気候変動問題は人々が考えているよりもはるかに複雑で、人類が化石燃料を使用するずっと以前から、太陽の影響も少なからずあって気候は常に変動してきたのであり、炭素削減に汲々とするより、直接の被災地対策に積極的にお金を使うべきだとするダイソン氏。

テクノロジーの発達は、個人に力を与え、社会が中央集権型から脱して分散型になることによって、テロ行為に対する耐性が上がって安全性が高くなり透明度も上がるとするカーツワイル氏。

それに対して、分散型社会とはアナーキーな社会のことであって、人間の本質に反するものだ、小規模な市場なら分散化が可能であっても、もっと長期の投資を行う世界経済の場合、分散化は机上の空論だとするウルフ氏。

これからは3Dプリントされた大きなレゴブロックのようなものを積み上げることで、手軽に最新のビルが建てられるようになるとするカーツワイル氏。

それに対して、最も新しいテクノロジーが一番早く古くなるのであって、むしろ古い家が最もハイテクになりうると言うインゲルス氏。

これだけ違うのである。

つまり予測不能の時代だということ。

それを象徴するのがトランプ氏の存在だといったら言い過ぎだろうか。

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