1分間バフェット/桑原晃弥
「郵便が3週間遅れて届くような田舎に住んでいたほうが、すぐれた運用成績を残せるかもしれません」
投資家は当然のことながら情報を大事にする。
日々入ってくる情報から本質を見抜き、自らの投資活動に活用する。
しかし、多くの投資家は情報に振り回される。
特にデイトレーダーと呼ばれる人たちはそうである。
株が下がった時に買い、上がり切った所で売り抜け、その差額で儲ける。
こんな投資家が増えてきたため、最近の株価は安定せず、世界の情勢によって乱高下する。
世界経済がこれによって振り回されている。
しかし、バフェットは、いわゆる「金の亡者」とは正反対のタイプである。
ウォール街によくいる強欲人間とはまったく異なる。
生活も驚くほど質素。
「自分のために」よりも「自分を信頼してくれる人たちのために」を重視する。
投資先を選ぶ時も、株価より経営者の人柄や能力を見て判断する。
信頼したらうるさく口出ししない。
頼まれれば、危機に陥った会社を身の危険をかえりみずに救う。
そして原則は曲げない。
つまり投資家として王道を行っているのである。
だから、その言葉にも重みがある。
「価格とは、何かを買う時に支払うもの。価値とは、何かを買う時に手に入れるもの」
「人がどうふるまうかを大きく左右するのは、内なるスコアカードがあるか、それとも外のスコアカードがあるかということなんだ。内なるスコアカードで納得がいけば、それがよりどころになる」
「他人が貪欲になっている時は恐る恐る、まわりが怖がっている時は貪欲に」
「信頼できるもの、そして10年、20年、50年たっても欲しいとみんなが思うものをつくっているかどうか、これが私が投資判断する上での基準です」
「大事なのは商品そのものが長期間持ちこたえられるかどうかを考えることです。その銘柄を買うべきか売るべきかを延々と考えるよりも、そちらのほうがはるかに実りが大きいとは思いませんか」
これら一つひとつの言葉、賢者と呼ばれるにふさわしい。
結局、周りの意見や一時的な情報に振り回されず、自らの信念を貫けるかどうかが成功のカギと言えるのではないだろうか。
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