« ブランド人になれ!/トム・ピーターズ | トップページ | 日本人の9割が知らない遺伝の真実/安藤寿康 »

2017年12月 5日 (火)

閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済/水野和夫

21

 もはや資本と家計は同じ船、すなわち「国民国家」という船には乗っていません。資本は豪華客船で毎日パーティ三昧なのに対して、家計は泥舟で、今にも沈没寸前です。
今、大企業は儲かっている。
ところが賃金は上がらず、個人消費は伸びない。
何かがおかしいと多くの人が感じている。
著者はそれはもはやグローバル資本主義の限界を迎えているからだという。
グローバル資本主義のもとでは、国家は「国民」国家であることを止めて、国民よりも資本を選んだ。
国家はグローバル企業、すなわち資本が活動しやすいように規制緩和や法整備をすることで資本に奉仕すれば、経済成長を実現でき、国民もそれなりに満足すると思っている。
しかし、格差はますます広がり、家計にお金が回っていかない。
利潤をもたらしてくれるフロンティアを求めるために地球の隅々にまでグローバリゼーションを加速させていくと、地球が有限である以上、いつかは臨界点に到達し、膨張は収縮に反転する。
現在は、資本の自己増殖を目的とする資本主義が限界に達している。
このような時代に日本は、これまでの近代路線をそのまま突き進むのか、まったく異なる道を選ぶのか、まさに大きな分岐点に立たされている。
「より遠く、より速く、より合理的に」という近代の理念が限界に達している。
だから、その逆をおこなうしかない。
つまり、「より近く、よりゆっくり、より寛容に」である。
・・・と、そのように著者は主張する。
今後日本はどの方向に向かえば良いのか?
一つのヒントを与えてくれる本である。

« ブランド人になれ!/トム・ピーターズ | トップページ | 日本人の9割が知らない遺伝の真実/安藤寿康 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/555602/66104011

この記事へのトラックバック一覧です: 閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済/水野和夫:

« ブランド人になれ!/トム・ピーターズ | トップページ | 日本人の9割が知らない遺伝の真実/安藤寿康 »