デザインの次に来るもの/安西 洋之、八重樫文
イタリアにとってデザインは、常に何というか倫理的な観点から理解され、認識されてきたということだ。たとえばアメリカのような商業的観点からではなくて、デザインするということは、イタリアでは人間を幸せに居心地良くすることだった。アメリカではデザインすることは、より多く売ることを意味している。一方、つい最近までイタリアでは、人生に解釈や説明を与えることがデザインだった。人生を明るく照らすのがデザインだったんだ。だから、デザインの大部分は人間生活や人生を論ずるところからやってきた。
デザインのセンスの全くない自分にとって、デザインの話しは苦手意識が先に立つ。
本書の言っていることは、要はデザインは単にモノを綺麗にカッコよく見せるためだけでなく、モノの意味を伝える力があるということではないだろうか。
特に今は「モノが売れない時代」と言われている。
より良いモノをより安くといっても限界を迎えようとしている。
ではどうすれば良いのか?
同じモノであっても新しい意味を加えることによって新しい価値が生まれる。
そのためにデザインは大きな力になるというのである。
これがいま欧州で注目されている経営戦略「意味のイノベーション」。
イタリア発のこの考え方は、極端に言えば「商品やパッケージはそのままでイノベーションを起こす方法」である。
「問題解決」だけでなく、「意味」を変えることで、商品の価値を飛躍的に高める。
中堅・中小企業が、自社の資源を活かしつつ、他社と差別化を図り、長期的に売上を伸ばせる画期的な経営戦略。
勉強してみる価値はありそうだ。
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